中学最後の春休み
俺と彼女と友人カップルと友人の親の5人で、友人の親が持つ別荘に二泊三日遊びに行った時です
友人の親は会社からの緊急呼び出しとかで一泊で帰り、三日目のお昼過ぎに迎えに来る事になり
「お前達、悪い事するんじゃないぞ!あと、火だけは気を付けなさい」と言い残し帰って行きました
俺と友人は内心彼女とエッチな事が出来るかも、と内緒話してワクワクです
俺はその時はまだ未体験で童貞なのに、友人は経験済みで色々と話を聞いてはドキドキしたものです
夜にテラスでバーベキューをしている時に友人が
「怖い話でもしない?」と言い出し、俺と友人の彼女は賛成でしたが俺の彼女だけは嫌がってた
バーベキューを片付け交代で風呂に入り、リビングに集まり友人が話し出した
大昔この別荘地の隣は墓地で当時はまだ土葬をしていたとの事、死んだばかりの若い女の死体を掘り起こして犯したり肉を食べたりする男が居たそうだ…
そんな話で女の子達はキャーキャー怖がりながらも楽しんでいる様だった
友人の彼女は
叔母さんの葬儀の時に参列者の数人が火の玉を見たとか
今考えれば大して恐くない話でも、当時の俺達は凄く盛上がり、4人で妙に興奮して夜中まで話し込んでしまい時計を見たら午前1時過ぎになり
もう『寝よう』という事にで友人は友人の彼女と、俺は俺の彼女と二組で寝る事に…
俺は怖い話以上にドキドキ興奮し凄く緊張してました
俺達は始めは別々のベッドに入りましたが
俺がさっき話した友人の『若い女の死体を…』という話を
「怖かったね」と話し掛けると彼女は
「もうヤメテ、怖い…ねえ、〇〇ちゃん…一緒に寝ない?」と言い出し俺の顔をジッと見詰めてきた
俺が「〇〇子、コッチに来いよ」と掛布団をめくると
彼女は飛び込む様にベッドに駆け込んで俺に抱き付いて来た
俺達はそのままキス(キスは彼女と経験済み)をしてそのまま……お互いの初体験を済ませた
彼女は俺の胸を枕に眠ってしまったが俺はトイレに行きたくて仕方がない
寝ている彼女を起こさない様にそっと頭を退けトイレに行った
トイレを済ませ部屋に戻ると汗をかいて冷えたのか肌寒い、しかも何だか生臭いような気がする
寒いので小走りに彼女の寝ているベッドに入ろうとした時、フッと彼女の顔を見たら…別人の顔に
中年とも若いともわからない顔立ちで顔色は白く(水色に近い)
何処を見ているのか遠くを見ている様に目は見開き
口は力無く半開き
「うっうわぁー!」
大声を出しながら
俺はその場に尻餅をついて足をバタバタさせて後退りをしようとしたが、思う様に動かない
彼女?はムクッと上半身だけ起き上がり俺の方を向いた
俺は怖くて声も出せず体も動かない
彼女?は顔を戻し、バタンとまたベッドに横になった
俺は四つん這いだったか、這いずって行ったのか記憶に無いが
友人カップルの部屋に行き、彼女と寝ていた友人を起こし先の出来事を説明した(その時友人は、俺が何を言っていたのかよくわからなかったらしい)
とにかく友人は俺が居た部屋を見に行ってくれた
「〇〇子が寝てるだけじゃん、他に誰も居ないよ…怖い話したから夢でも見たんじゃない」
結局俺は友人カップルの部屋で朝を迎えた
翌日彼女とはあまり話す事が出来なかった
帰った後、嫌だと言う彼女と無理矢理別れた
友人の彼女や別れた彼女の友人に『ひどい男』とか『ヤリ逃げ』とか散々悪口を言われたが
それでも俺は別れられてホッと安心した
別れた彼女は結婚し子供も出来て幸せ?に暮らしているらしい
あの別荘はバブルが弾けた後、売ったみたいだ
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話