短編2
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僕の後ろ

僕が

体験した話です

僕の学校には

過去二回ほど

自殺者がいたらしいんですが

学校に忘れ物をしたので

教室まで取りに行ったときの事

引き出しの中から

ノートを取り出そうとしたときに

ずる…ずる…ずる…

と教室のドアの向こうから

引きずるような

音がしました

音は廊下の奥から

徐々に近づいてきます

もともと

臆病な僕に

ドアを開けて見るなんて

できるわけもなく

唯一できたのが

ドアの鍵を閉めて

隅っこでやり過ごすことくらいで

次第に大きくなってゆく

物音を聞きながら

へたり込みました

音は教室の前でなくなり

がたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがたがた

ドアを激しく揺すります

僕は悲鳴をあげることも出来ず

ドアを見ることしか出来ませんでした

一時して

ぴたりと音が止み

胸を撫で下ろしました

「ねー」

と声がするまでは

僕の背後の窓の向こうから

呼び掛ける声がして

「開けて?」

と言ってきました

怖くてそのまま震えていたら

窓ががたがたと揺れはじめ

「開けて?ねー?開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて?」

スロー再生音みたいに

ねとつく声に

耐え兼ねて

「僕には開けられないんだ!」

と叫ぶと

「…そう」

と声が聞こえて僕は

気を失いました

目が覚めたのは病院で

先生と親のやり取りのあいだ

僕は

人と人の間から見える

女の子を呆然として眺めていました

「ニガスワケナイダロウ?」

今でも

彼女は僕についています

僕の後ろで

笑っています

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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