短編2
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海辺の階段

子供達が嫌がる為に家で煙草が吸えない俺の喫煙所は、家の前にある海辺の階段だ

何時もの様に、夕食後に携帯灰皿を片手に海辺の階段へ

夜の8時頃に海を見ながら煙草を吸っていたら、お爺さんがやって来て俺の隣にチョコんと座り

「煙草を一本下さい…」

と言ってきた

「ああ、これで良かったらどうぞ」

俺は煙草の箱とライターをお爺さんに渡した

お爺さんは箱から煙草を一本取り出し火をつけた

「うまいです…何年かぶりに煙草を飲みました」

と煙草の煙を吐き出しながら嬉しそうに言った

犬の散歩なのか、犬連れの人の小さな犬がやたら吠えてくる

「うるさい犬ですね」

俺が言うと

「よく吠えられますよ」

と笑みを浮かべお爺さんが答えた

「この辺にお住まいなんですか?」

俺は産まれてからずっとこの地に住んでいるが、このお爺さんは初めて見る人だった

「昔住んでました、この街も随分変わってしまった」

お爺さんは暗い水平線を見るかの様に前を見詰め

独り言の様にボソボソと言った

「さて、帰って風呂にでも入ります」

と俺はその場から立ち上がり階段を昇り始めた

階段を上がりきりお爺さんの方を振り向くと、そこにお爺さんの姿がなかった

一瞬ビックリしたが

不思議と怖いとは思わなかった

家に戻り、家族に話したが誰も信じてくれなかった

俺は今でも海辺の階段に座り煙草を吸っている

勿論、煙草は二本以上持って行く事にしている

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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