短編2
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井戸神さま

わたしが十数年前に嫁いだ、関東のある県での話です。

そこは、街の中心部こそ学園都市と呼ばれ、近未来的な趣きがありました。

が、街から15分も郊外へ車を走らせると、上下水道も通っていなく、水は井戸を掘って電気ポンプで汲み上げ、下水は浄化槽を使用していました。

また、昔からの変わったしきたりも多く、かなり戸惑ったものです。お葬式も、お金がなければ、まだ土葬にしてましたし。

さて、長男に嫁がきた、ということで、家を建て替えることになり、必然的に、新しく井戸を掘ることになりました。

運良く、いい水脈にあたり、古い井戸はセメントの蓋で閉じ、そこに花を飾ったりして、姑から「井戸には井戸神さまがいらっしゃるから、感謝して、古井戸を粗末にしてはいけない」と言われました。

わたしは、アニミズムの一種かなと思いつつ、わかりました、と答えたところ、

「何年か前、うちみたいに家を建て替えたうちがあってね、そこも新しく井戸掘ったんだけど、罰当たりが、古い井戸の上にトイレを作ったんだよ」

それはなんて神様に失礼な…と話を聞いていると、

「そうしたらね、そこの子ども、まだ小学生くらいの子が、いなくなったんだよ」

え?

「神隠しだと皆言ってるよ。まだ見つかってないし、生きてはいないだろうねぇ」

さらっと、日常茶飯事のようにいう姑が恐ろしく、また、変わった風習が多く、その文化になじめず、結婚生活は2年で破綻しましたが、それでよかったと思っています。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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