いわくのない部屋〜BSO編〜

中編5
  • 表示切替
  • 使い方

いわくのない部屋〜BSO編〜

今まで読む専門でして、初投稿ですので意見をいただれば幸いです。

分かりにくい表現も多いかと思いますがご容赦を。

「やばい。また寝過ごした。」

私は某国立大学に通う3回生。

最近めっきし朝に弱くなってしまい、どうも起きれない。

このままだと単位がまずい。

今は1人暮らしをしている。

2回生までは実家から大学に通う生活をしており、規則正しい生活をしていたから起きれていたのだろう。

大学生ならではの帰宅時間を気にせず、遊びに時間をかける生活に憧れて今ではこの有り様だ。

しかし、最近は以前のように深夜帰宅からの就寝のような生活でもなく、日付が変わる前には寝るようにしている。

にも関わらず毎朝起きれば時計は15時を指し示している。いつもだいたい同じ時刻。

それだけ寝れば眠気ももうないだろうが、体は疲れきっており、眠気がまだ残る。

何度か諦めて寝ようと試みたこともあるが、それ以降は眠れなくなる。

そんな日々を送るある日、大学である友人にこう言われる。

「○○(私の名前)さぁ、最近あんまり授業来ないのって起きれないからじゃない?言いにくいんやけど・・・・・・たぶん憑かれてる。今住んでる家が問題。」

彼女が言うには部屋にその憑いたモノがおり、私の体力を奪っているとのこと。

確かに1人暮らしを始めたいが故に実家を飛び出した私には金銭的に余裕はなく、かなり安い物件にしたため部屋に何らかの事情があったのだろうか。

ちなみに彼女は何かとそっち系に詳しい方で、霊感を持ってるんではないかとかよく噂で聞いており、以前も友達の相談に乗ってあげていたので原因を当てられた時点で彼女に助けを求めた。

取りあえず彼女を家に招いた。引っ越してきたばかりであまり整頓出来てない部屋に友人を招き入れたくなかったため、今まで他の友人含めても部屋に入れたのはこの時が初めて。この奇妙な睡眠欲から解放されるためなるならと渋々だったけれど。

「やっぱりか・・・・この部屋にいるよ。でも大丈夫。これを置けば解放される。」

彼女に渡されたのは小さな巾着袋。

「これを部屋の角に置いておけば手出し出来ないし、いずれは諦めて去るから。でも体調が回復するまではこの袋触らないようにね。体調がむしろ悪化しちゃうから。」

よく分からないが了承し、その日の夜のこと。

いつもはすぐに寝ることが出来ていたのだがどうも寝付きが悪い。

きっと自分が憑かれているとわかり、恐怖故か寝つけないのだろうと思っていた。

寝てはすぐ目が覚める。体の節々が痛み、激痛で起きる。収まって寝るがまたの繰り返し。

結局次の日を迎えた。

「昨日はどうだった?ちゃんと起きれたでしょ。」

確かに起きれたが、体は余計に辛い。

「大丈夫。しんどいのは今だけよ。すぐにラクになるから。」

その日も眠れないだけでなく、体の痛みと何か異様な違和感を感じた。耳なりであまり聞こえないが幻聴も聞こえるような・・・・・・

次の日朝あまり眠れず、学校が始まる時間までうつらうつらしていると突然外から人の怒鳴り声が聞こえる。

なんだろう?と思い、軽くドアを開けると例の彼女が隣の住人と言い合いをしている。大家もなぜかいる。まさか彼女がいわくの部屋を問い正してくれてるのかと淡い期待を抱いた。

しかし、聞こえて来た声は

「あなた達には関係がない。」

彼女はそう答えるのみ。しかも、どこかいつもと様子が明らかに違う。

大家「いやぁ、でもここの住人でない貴方が夜中からずっと彼の部屋の前にいたら変だと思うでしょ。」

何か頭の中で繋がる。

大家「しかもこう連日となれば彼も・・・・・嫌な気分になるだろう。夜中にずっと外から声が聞こえてきたらさ。」

なぜ彼女が彼の家の前にいるのか?

うちのマンションはオートロックが付いている。安くてそこまで設備もあればと得した気分になった思い出がある。

なぜ入ってこれた?

考えられるのは私が部屋に招いた時に使ったマンションの住人のみ使うパスコード見て覚えていたということ。

さらに毎日夜中家の前にいたこと。

数日の体調不良。

背筋が少し寒くなり、そっと気づかれないようにドアを閉めた。

確認しよう。

触るなと言われたが例の袋を見た。

白い紙のようなものに付着した赤い固形物。

その紙をよく見て気づいた。

経血?

すぐに処分し、外での争いが終わって彼女が大家に警察を呼ぶと言われて、そそくさと帰っていったのを見計らい最低限の荷物を持ち実家に即座に帰った。

後から知ったのだが、彼女は私が同じクラスのある男性と仲が良いことに不満を持っていたらしい。

同時期ある呪術を扱うサイトを見つけたとはしゃいでいたという話も聞いた。しかし、条件があと一つと呟いており奇妙に感じていたらしい。

憶測でしかないが、彼女はそのサイトで知ったある呪いを実行する。

しかし、その呪いの条件の一つを欠くことで効果はうまく現れなかった。

その条件とはその術者との距離ではなかったのではないか?

私が1人暮らしを始めたことは友人達も知っていたが家にまだ招きたくなかったため詳しい位置まで知る人はまだいない。

現に実家に帰った私はそれ以後何もない。(ちなみに私の実家は大学とは他県です。)しばらく学校を休んでいたが、単位のこともあり学校へ行った。

ところが、彼女も私が休みだしてしばらくして大学に来なくなったとのことらしい。

噂では一度寝るとなかなか起きれないらしいとか。次第に学校を休みがちになり、来なくなったとか。その後の付き合いはないし、以前からそこまで仲の良い関係ではなかった(私から見ても)から分からないが。

以前から学校に来るのが二時頃だったとかだから元からサボリ魔だったからねと友人は話していたが。

私が何よりも恐ろしいのは彼女ではなく、その呪術を扱うサイトだ。

人を呪わばなんとやら・・・・・・・・・・

まぁ体調も治ったし、大学生活楽しめてかつ単位さえ取れればどうでも良い。そんな性格だからか仲良くしていた彼に告白して振られたのは言うまでもない・・・・・・・

怖い話投稿:ホラーテラー B silent outさん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ