いわくのない部屋〜匿名編〜

短編2
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いわくのない部屋〜匿名編〜

俺には幽霊が見える。

霊感なのかはわからない。

だから大抵命の無いモノの存在はすぐわかるんだ。

今日俺はある部屋に引っ越して来た。

何度か下見に来てここには家賃も払わず

人間を脅かす様な命無きモノがいないことはすでに確認済みだ。

見えるからこそそんなやつらと同居なんてしたくない。

したとしても長年そこに棲み憑いてるやつらの怨念には勝てないだろうし、

すぐに追い出されるだろう。

だからこそ本当に慎重に選んだ。

前に棲んでいた部屋も何も居ないはずだったのに下調べが甘かったみたいで、

そこは夜中に訪問してくるタチのものだった。

後からわかった話では

そこに住んでいた恋人の部屋に向かう途中に事故に遭い、

今も未練なのか恨みなのかわからないが毎晩訪れるらしい。

聞いた話では恨みだろう。

なんでもその時妊娠していたその女を自宅に呼び、

子どもなんて冗談じゃないと思っていたその男は家に向かってきてた女を車で轢きお腹の子を流産させるつもりだったのが女まで殺してしまったらしい。

今でもその男に会いに

血だらけの姿でズズ、ズズズと体を引きずり

何もない部屋の中をひたすら這い回りに毎晩来ているようだ。

さすがにこんな所はごめんだと引っ越ししたんだが、

今回は大丈夫。

命無きモノは何もいない。

まさしくいわくの無い部屋だ。

幸せそうなこの人間の家族と共に今日から俺はここに棲もう。

乱文失礼致しました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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