短編2
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いないいない・・・

まだ大学生だった頃の実体験です。

故に、オチも何も無い事をお許しください。

大学近くの村田荘という安アパートで一人暮らしをしていました。

梅雨明けも間近な頃だったでしょうか

深夜にタバコを切らしてしまい

近くの自動販売機まで買いに出たその帰りのこと。

暗くなってから降り出した雨がばらばらと傘を打ち、

湿気った蒸し暑い空気が肌にまとわりつく、なんともイヤな感じの夜でした。

もうすぐアパートに帰り着くその時

こちらに向かって歩いて来る女性らしきシルエットに気づきました。

身長は高めで痩せた感じ。

街灯を背負った位置にいるので影になり良くは見えませんが、

傘もささずに歩いているようです。

「こんな時間に・・・」

あまりじろじろと見るのも不躾な気がしたので

うつむきがちに歩きましたが・・・

アパートの前ですれ違う寸前、

思わずチラッと女性を見てしまいました。

薄手のコートからは雨がしたたり

長い黒髪はべったりと頭にはり付いて

そして両手で顔を覆っていたのです。

俯いていれば泣いているようにも見えたのでしょうが、

頭はまっすぐに起こしているので

そう「いないいないばあ」をする直前のような。

すーっと、こちらの方を見向きもせずにすれ違いました。

「えええ?」

一瞬固まったものの、すぐに振り返ったのですが

そこにはもう誰もおらず

濡れた路面が街灯の灯りを反射させているだけ・・・

さすがにその夜はびびって過ごしましたが

その後、特に何も起こることはありませんでした。

後から思ったのですが、

すれ違った時に「ばあ」をされなくて良かったなあと。

このアパートに住んでいた頃

他にもいくつか怖い思いをしました。

またいつか機会がありましたら書かせてください。

乱文、ごめんなさい。

怖い話投稿:ホラーテラー shibaさん  

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