中編3
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幽霊…だよね?

これは先週末のお話です。

天気はあいにくの曇りでしたが、久しぶりに彼女と二人で海水浴場にキャンプに行きました。

場所は地元民しか知らない様な超穴場スポットです。

あまり人が来ない上に、捨てられているゴミも少ないので、僕のお気に入りの場所でした。

現地に到着し、テントを張ってバーベキューと花火を楽しんでいると、すっかり深夜になっていました。

寝る前に砂浜を散歩したいと、彼女の提案で手を繋ぎながら深夜にの砂浜を散歩していた時です。

…馬鹿じゃねーの

…ぎゃはは

笑い声が聞こえてきます。前方の砂浜で数人の若者が馬鹿騒ぎしている様でした。

暗闇の中だったので、ハッキリと姿は見えないのですが、うっすらと人影が見えます。

彼女「ねぇ、酔ってるみたいだよ?」

ちょっと関わりたくない雰囲気だったので、少し若者達を避ける様に遠回りしました。

丁度、彼らの横を通り過ぎようとしていた時です。

バシャッ

バシャッバシャッ

「あはは何やってんだよ」

「ばーか。戻ってこいよ」

一人の若者が、真っ暗な海に入っていくのです。

そしてその若者を連れ戻そうと、次々と仲間達が海に入っていくのです。

思いがけない光景に、僕と彼女は足を止めて、若者達を見ていました。

バシャバシャバシャッ

「あはは待てって」

バシャッバシャッ

「ぎゃはは馬鹿だ〜」

バシャッ

バシャ…

僕「…あれ?」

若者が全員、海に入ってから数分が経った頃でしょうか…

海水を掻き分ける音も笑い声も聞こえてきません。

しーんとした静寂が辺りを包みました。

彼女「ヤバくない?」

警察に電話しようかと携帯を見ても圏外です。

これはマズイと海に走り出しました。

僕「おーい!大丈夫か!」

僕が海に一歩足を踏み入れた時でした。

彼女「ちょっと待って!」

後ろから彼女が凄い剣幕で、僕のシャツを引っ張ります。

僕「何?今の見てたろ!」

彼女「いいから!」

彼女に引っ張られ、若者が居た場所まで連れて行かれた。

彼女「これ見て!何もないよ!」

彼女が言う様に、若者達が居た筈の場所には、お酒や彼らの持ち物が一切ありません。

確かに少しおかしいとは思いましたが、こんな理由で僕を止めたのと納得がいきませんでした。

僕「…だからって!」

その言葉を遮る様に彼女が続けます。

彼女「違うの!ないの!」

取り出した携帯電話のライトで彼女が砂浜を照らしました。

ソコには、ある筈の若者達の足跡がありませんでした。

海に向かう足跡も、僕と彼女だけです。

真っ青になりながら、彼女と顔を見合せていた時です。

海から…

「お〜い」

「こっちだよ〜」

「早くこいよ〜」

…と先ほどの若者達の声がしました。

僕たちはダッシュで走り出し、テントも放置して車で逃げました。

近くのコンビニの駐車場で夜を明かし、ヘトヘトになりながら帰ってきました。

家に帰ってきた途端に、彼女がポツリと呟きました。

彼女「ねぇ…もしアレが生きてる人間だったらどうしよう?」

僕「…まさかぁ〜」

今度はその一言が引っ掛かり、ドキドキしながらテレビのニュースをチェックしています。

幽霊…

…だよね?

以上です。最後までありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 店長さん  

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