短編2
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ゆっくりさん

小学二年生のゆみチャンは何をするのも遅い

朝、起きてもベッドからなかなか出てこない

いつもお母さんにお尻を叩かれる

パジャマから着替えるのも遅い、お母さんに足や背中を叩かれる

ご飯を食べるのも遅く、お母さんに頭を叩かれたり、ホッペをツネられたりする

学校ではみんなに叩かれる

「動きが遅い」と言われ、

クラスの男の子に蹴られたり叩かれたりする

「しゃべり方が遅く、気持ち悪い」と言われ、

クラスの女の子は誰も話をしてくれない

先生だって面倒くさがり、ゆみチャンの話を聞いてくれない

クラスのみんなは、ゆみチャンの事を『ゆっくりゆみさん』と呼んでカラかった

ある日、給食を食べるのが遅いゆみチャンを男の子達数人で取り囲み…

「おい、ゆっくりゆみ!お前食べるの遅いから手伝ってやるよ」

と言いながらコッペパンをゆみチャンの口に無理矢理捩じ込んだ

涙を流して苦しむゆみチャンを見て、クラス中が笑った

先生だって笑ってた

「そんなに苦しいなら牛乳飲めよ」と男の子はゆみチャンの頭から牛乳をかけた

先生が「その辺にしといてやれ」と言ったので男の子はやっと止めてくれた

と、思った

1人の男の子が

「お前、キモいんだよ」と言いながらゆみチャンの肩を突き飛ばした

ゆみチャンは椅子から落ちた

落ちたはずみで口いっぱいだったパンがゆみチャンの喉に詰まり、息が出来ない

ゆみチャンは苦しくて泣きながら助けを求めた

クラスの皆はそんなゆみチャンを見て大笑いしている

ゆみチャンは息が詰まり、苦しみながら死んでしまった

ゆみチャンが死んで暫くして、先生はゆみチャンの机の上に置いてあった白い菊の花を片付けようと教室に向かった

すでに生徒達は帰宅し教室には誰もいない

日も傾き辺りは薄暗くなってきていた

先生は教室に入り、ゆみチャンの机の菊の花を花瓶ごと手に持ち

「ゆっくりゆみさん、ゆっくり成仏して下さいね」と言いケタケタと笑った

突然、牛乳の匂いがした

「そんなに可笑しいの?」

ゆみチャンの声がする

先生は視線をゆみチャンの机に落とした

ゆみチャンの席にゆみチャンが座って先生を見上げていた

ゆみチャンの口にはいっぱいのコッペパンが入っている

「ゆみチャンの動くのが遅いから……?

ゆみチャンのしゃべり方が遅いから……?

ゆみチャンの……ゆみチャンの食べかたが…………………………

遅いからかぁー!」

ゆみチャンの見開いた目は黒目がなく牛乳の様に真っ白だった

先生が死んだ…

原因は窒息死だった

コッペパンが喉の奥まで詰まっていたそうだ

その後、クラスの男の子数人も死んだ…

原因は…………

辺りには…何故か牛乳の匂いがしていたそうだ。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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今の学校給食の時間 やたら早いんだよね。
ゆとり と ゆっくりは意味が違うんだな。
ゆみちゃんに応援したくなっていた。

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