短編2
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仲間

これはボク自身の体験話です。

数年前、高校を卒業したボクはよく地元の友人と四人で騒いでいました。

リーダー格のS、卒業後車を買ったI、なんとなくボクとはあまり話さないTに、したっぱのボク。

大体ソのくらいの人間が車を買ったら、曰く付きのスポットに行ってみようと言い出すヤツがいるもので、ボクらもそういう場所に行っていたわけです。

月に何回も、同じところにも行きました。

着いてばか騒ぎ、もいつものコト。

そんな日常になれていったわけです。

真冬のある日、外は雪がちらついている中、Iと十年来の友達だったボクは、もうすぐ二十歳、ということもあり、車の中で昔のコト、将来のこと等、語らっていました。

気が付くと、ボクとIは車内で寝てしまって居たようでした。

先に目覚めたボクは、何か息苦しいようなそんな感覚を覚えました。

時計を見ると午前2時を切っています。

その日の夕方からバイトが入っていたボクは、どうせなら部屋でゆっくり寝たいと思いIを揺すり起こしました。

安眠を妨害されやや不機嫌になっているIに事情を説明し、頭が完全に覚醒したら帰る、と言うことになりました。

気持ちよく熟睡しているところを起こされ、まだイライラしつつ寝ぼけているIが、落ち着くためにタバコに火を着けた

ボゥフュア!

聞いたこともない音と、一瞬で真っ赤になる視界。

ボクとIは救急病院に搬送されました。

ガス爆発だそうです。

車内にあったライター用のボンベに穴が空いていたそうです。

……何故か二本も。

酷かった火傷もほとんど治り、普通に生活できるようになったボクは、未だ顔に火傷の残るIに合い辛く、一年ほど過ぎました。

爆発以降会っていなかったI、T、Sと意外な形で再会。

死亡記事…。

彼らは深夜、海沿いの何もない道で事故死したそうです。

路駐していたていたトラックに突っ込んで。

彼らはボクと会わない間もスポット巡り等ある種「バチアタリ」なことを繰り返していたそうです。

今思えば、あの爆発はボクらへの「警告」だったのではないかと、そう思っています。

警告を聴かず、仲間とともに死亡。

ビビリかもしれないが、受け入れて事なき。

その後、幾度となく「ギリギリの」小さな事故に見回れました。夜の海辺で溺死しかけた、なんてこともありました。

今でも怖くて手を合わせに行ことが出来ません。

一人生き残ってしまったボクを、暗がりから彼らが呼んでいる気がするから…

怖い話投稿:ホラーテラー ダテコさん  

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