短編2
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ダムの底に沈んだ奇祭村

これは、僕が通う大学の友人から聞いた話です。

「アニメ、ひ〇らしの〇頃に、あれの実写版みたいな話なんだ。」

そう唐突に言われ僕はしばらく友人の話に耳を傾けた。

「そう、あれは昭和40年代、日本が高度経済成長まっただ中だったころ

そう現在G県のH市(実際の地名は伏せます)あたりのね」

「山に囲まれた谷間に人口千人の村があったんだ」

ちなみにその村に入る道は一本しかなくて、民宿もなく、閉鎖的でよそ者ならともかく隣の村の人が来たって知らんぷりする人が多かったらしいんだ」

更に友人は話を続けた

「その村の神社では年に一回、そう、六月に奇祭があって」

「祭り自体は村人以外の人間はいっさい見ることも参加することも許可されなかったらしい」

「じゃあ何処でそんな情報を仕入れたんだ」

僕は半信半疑でこう聞き返した

すると友人は

「実はこの村はダムの底に沈んでしまって、俺はその元村民に話を聞いたんだよ」

何故元村民が打ち明けたのかは知らないが、とにかくそうだったのかと納得した僕は、高まる好奇心からその奇祭の内容を聞いた。

その祭りの内容は

まず巫女さん(小学生くらいの女の子)が赤く錆びた鉈を持って用意された巨大なわら人形の腹を裂く

そのあと切り刻んで焼却しその灰を川に流す

ここまでなら普通だが。

実は

室町時代まではこの祭り、鉈で切り刻むのはわら人形ではなく生きた人間だったらしい、

そしてその鉈は人間の血を吸って、室町時代からこの世に存在し続け伝わってきたものだと。

ダムの底に沈み廃村となる際その鉈は今どこかの神社に保管されていると聞いたが今となっては知る由もない。

更に廃村する年、最後の祭りで巫女役をした少女が、その祭りの終わった数日後河川敷で自分の喉をカッターナイフでかき切って自殺したらしい

僕が聞いたのはここまでです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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