短編2
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思い出の行方

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これは私が20歳の時本当に起こったいまだに理解出来ていない話

当時高校の時から付き合っていた彼氏が大学に通う為に一人暮らしをしていた

S県のM町…駅からすぐ動物園がある…そう言えばS県在住の人なら判るだろう

その場所はカップルで行くと別れるという噂があった

若い私達は本当に別れるのか確かめるべく行く事にした

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駅から歩いて行くと小学校があるんだ

あの当時でも珍しい木造の校舎…見る限り何処かの田舎の分校みたいな感じ

私は凄くそれに感動して校舎の前に立って彼氏に写真を撮って貰った

それから月日が経ち写真が出来たという事で彼氏のアパートでその写真を二人で見ていた

順調に一枚一枚見ていた時だった・・・

私が写ってるの全て焼き増ししてね~なんて言いながら…

すると…

私達は言葉を失った…

小学校の前で撮った写真…真ん中に立っている私の両サイドがもの凄いメラメラ燃えてんの

『やだ…何これ…』

他の写真は問題ない…この一枚だけ…

その時は気持ち悪くてこの写真いらないわ…捨ててと話した

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その後学校の友達と彼氏の話になりその気持ち悪い写真の話になった

見てみたいとなったので今度の休みの時にアパートに行って持って来るねと約束した

合鍵を持っていた私は彼が大学に行っている留守の間にアパートに入り写真を探した

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いろんな写真があったので見付けるのにかなり時間がかかった

やっと見覚えのある写真を見つけ一枚一枚めくり探した

でも写真の束を一周したがその写真がない…

そうか…私捨ててって言っちゃったよな…でもここまで来てないのは悔しいな…

ネガを見たが…その燃えてる写真の所だけやっぱりネガも赤く写っている

あれ…やっぱりこれだよな…

私は彼に電話をした

『もしもし?あのさ、今アパートに来てるんだけど動物園行った時のあの燃えてる写真あったじゃん?あれ捨てちゃった!?』

『いや!?何もしてない…』

『あの写真だけないんだけと…』

『そんな訳ないよ、何もいじくってないし』

電話を切り何処かに紛れ込んでないか他に置いてあった全ての写真を探した

でもやっぱりない…

私は段々と鳥肌がたち夕方でカーテンを閉めきっていたオレンジ色に光るアパートから急いで逃げた

帰りの車…思い出したくもなく音楽をガンガンかけて歌いながら帰ったのを思い出す

それから私達は別れてしまった為その写真のネガは多分彼が持ったままなんだろう…

一体あの写真だけ何処にいったのか…

その写真を撮った一年後・・・私は病気を患った…

いまだに完治していない…

あれがもし悪い写真だったとしたら…

でも忽然と消えた訳で…私にはどうする事も出来ない…

今もその小学校は実在している…

自分も一緒にその小学校の写真を撮るのは…

私はお勧めはしない

Concrete
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