短編2
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怖い女

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私の会社は二人で組んで営業に廻るシステムなんですね。

私は3つ歳上の女性と組むことになりました。

気さくで明るい方でね、当たりだ、なんて思いました。他の人は気難しい人と組まされて災難だなんていってましたから…

3ヶ月位はお互い気分良く働きました。

私は元々当時取り組んでいた仕事が得意分野でして、業績が上がった結果めでたく昇進となったんです。

ペアでも営業成績は各個人で付くので、私だけが上がる事になりました・・・・

多少の気まずさは有りましたが、先輩の人柄を考えれば祝福してくれるのでは、と思い報告に向かいました。

そう、よかったね

と、

でね、かなり素っ気なく返されたんですよ。

私も忙しかったんで余り気にせず、移動の準備を進めました。

新しいポジションに就き、忙しいながらも順風満帆に過ごしていました。

遅くまで持ち帰った仕事こなしてると、急に呼吸が出来なく成りました。

時間にして1分程でしょうか、呼吸出来る様になったんですが、原因不明の呼吸困難なんて怖いじゃないですか…

一応兄に車で救急病院へ連れて貰いました。

結局、原因は判らず終いでストレスと診断されました。

其から頻繁に決まって夜中に呼吸困難に陥るようになり、一度心療内科で受診してみようかと思いました。

そんな折、法事で兄と二人生まれ育った土地に帰省する事になりました。

実家は寺なんですが長男が継いでいます。

東京土産を差し出しながら「ただいま」と言おうとしたら、凄い剣幕で奥から母親が「この馬鹿!!よくそんなモノ憑けて!!」

なんて言うんですよ。

私も兄も余りの剣幕に、母親がおかしく成ってしまったかと 思った程です。

あの時の母親の剣幕は未だにトラウマに成ってます。普段は温厚なオバサンですから。

側にいた長男も暫く私の顔を凝視しました。

「お前…良く平然としてんな…女がお前の首にしがみついてる…」

「はあ?何言ってんの?首?はあ!?」

いきなりこの人達は何を言ってんだ、と思いましたよ。

からかってるにしては、凄い演技力だし、かといって「はいそうですか、」とも言えません。

兎に角ご本尊が鎮座している物々しい本堂に来いと言われ、渋々着いていきました。

私も一つ上の兄も僧籍は持っていますが、長らく他の仕事に携わっている所為か、本堂は何だか落ち着かない物でした。

母は昔から異形のモノに対してセンサーが働くんですね…

「死人ならパッと祓って仕舞いなのに…あんた…女性関係で何かしでかしたんじゃないだろうね…?」

母曰は生き霊という奴らしく、祓うとなると中々大変だそうです。

私は当時女性関係もクリーンでしたし、心当たりはなかったんですよ…

長男がね、「お前…多分呪い掛けられてる。きっついヤツ…」

頗る真剣な表情で、現職の住職にお前は呪われている、と言われた私…

しかもきっついヤツ

Concrete
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