短編2
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火の玉

私が覚えている中で、多分初めて体験した霊現象の話。

実際の話で、怖くないかもしれません。

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その頃、私は物心ついて間もない歳で、五階建ての集団住宅の三階に住んでいました。

夜中ふと窓の外を見たくなって、家族みんなでテレビを見ている部屋から出て、普段寝ている電気の付いていない部屋へと行き、そこでカーテンを引いて窓の外を見たのです。

そしたら、ガラス越しの目前に青白い火の玉みたいなのがゆらゆらと揺れていました。

それはなんだかこっちを見てるような気がしました。

でも、不思議と怖くはなくて、ただなんとなくその火の玉をじーっと見つめていたら、すぅーっと下へ消えるように落ちていきました。

どこに行ったのかなと思って、窓を開けて覗いてみたら、一階の窓でゆらゆらと揺れていたので、ぼーっと眺めていると、母か父か弟か忘れてしまったけれど家族に呼ばれて、私は元いた部屋へと戻りました。

それから数日同じように夜中窓の外を見てみるのですが、あれ以来二度とその青白い火の玉を見ることはありませんでした。

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小学生になり、ある日、学校で友達と怖い話をしていた時、ふと思い出してその話をすると、友達は皆口々に「気のせいじゃない?」「作り話でしょ? こわくもないし」と言いました。

私も半ば気のせいだと思っていたので、「そっか、そうだよねー」と言いかけたところで、幼馴染が目を真ん丸にして驚いていたのに気づきました。

「どしたん?」

とたずねると、

「気のせいだと思って今まで忘れてたけど、あたしも一度だけみた、青白い火の玉でしょ。窓の外でゆらゆらしてた」

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そう言った幼馴染は、私と同じ建物の一階に住んでいる子でした。

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