中編3
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ママのクローゼット

私の実家には古いクローゼットがあります。

普段使わないようなママのスーツなどがしまってある、大きなクローゼットです。

私のものは入れていないので、私が開けたことは一度もありません。

この頃私は妹と同じ部屋、2段ベットで寝ていて、物心ついた頃からベットの前にはそのクローゼットがあったので、なんとも思っていませんでした。

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その日も、いつもと同じようにベットに横になって、目をとじて……

どのくらい時間が経ったでしょうか。

突然部屋の中で、

shake

『バーーン!!』と、かなり大きい物音がして飛び起きました!!

部屋は真っ暗…

2段ベットの上で寝ていた私は、耳を澄ましながらそっと周りを見ようと目を凝らすと、下に何かある…

『何だろ?結構デカイな…』と思い、それをじぃーーーっと見てると、急に

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shake

ズズッ、ズズズズズッッと動いた!!

というより、這っている……

何がなんだかわからないけど、とにかく怖くて怖くて

そして何より下で寝ているはずの妹が心配でどうしようもなくなりました。

ズズッズズズズズッ…と、這うような音はしていましたが、勇気を振り絞って下を確認……妹の姿はありませんでした。

次にこの部屋から逃げなきゃと思い、ドアの方を見ると、少しだけドアが開いていて、そこから光が見えました。

『向こうの部屋に行けば親が助けてくれる!!』

そう思い、怖いながらも様子をうかがって

『今だ!!』と思った瞬間、ベットから飛び降りドアに向かって猛ダッシュ!!

子供部屋の外は蛍光灯で明るく照らされていて、まるで別の世界のようでした。

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リビングに行くと、ソファーに座ってのんびりテレビを見てるいつもの両親の姿。

『どうしたん?』と聞かれ、私は夢中でさっきの出来事を説明しましたが、夢でも見たんだろうと言われてしまい終了…。

信じないなら部屋に来てと、親を引っ張って連れて行きましたが、部屋はいつも通り何もいないし、妹もベットで寝ているのです。

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親と会話して安心したこともあり、どっと疲れを感じた私は

『おやすみなさい』とあいさつをして部屋に戻り、ベットの階段を上りました。

『寝ぼけてたのかもな…』と思いながら横になろうとした瞬間、

ふと視線を感じ、

一気にさっきまでの嫌な空気が部屋中に広がりました。

なぜか無性にクローゼットが気になる。

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そこには顔だけ出し

目を見開いてニターーッ笑っている女が

音もたてずにただ、じーーっとこちらを見ている。目が合った瞬間

shake

『バン!!』と大きな物音がして目が覚めた。

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汗びっしょりで心臓がバクバクしている…。

夢なのか?

現実なのか…?

最初は混乱してましたが、優しい日差しが私に朝を知らせてくれました。

何だか寝た気がしないくらい体が疲れきっている…。

起きようとベットの階段を下りた時、体がフラッとバランスを崩し背後にあったクローゼットの扉に寄りかかる形になりました。

普段使っていない、

開けっ放しになんてならないママのクローゼットは私の背中で

『カッチャン』と閉まりました。

夢の中で目が合った女が入っていた扉の場所。

一体どこから夢でどこから現実なのか、

たまたまその時だけ偶然に扉が開いたのか…

そのあと誰に聞いてもクローゼットは開けていない、というか使っていないということで、なぜ扉が開いていたのかも謎(扉の磁石がかなので)、それ以来クローゼットが怖くて仕方ありません。

今でもクローゼットはあります。

しかし相変わらず使ってないという。

偶然だったのかも知れませんが、考えてみたら夜中によくギシギシ物音がしていたのを思出し、その音がなんの音だったのか……

妹はまだその部屋で寝ています。

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