中編7
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支配される心

最初に一言、私は霊の存在は信じていませんし霊感が強いとか考えた事もありません。

そんな私が実際に体験した事を語らせて頂きます

以降、私なりにその場で起こった事や雰囲気を出来るだけ伝えたいのでありのままの表現、言葉で書かせて頂きます。

乱暴に感じたらご容赦ください

俺は元来、よく金縛りにあう方だ。最初に体験したのは中学生位だったと思う、突如体がズシッと重くなり全身に寒気がする、金縛りの始まりだ。

目の前には黒いは物体、聞こえる子供の声や母親らしき声。初めて体験した時は恐怖の余り中学生にも拘らず、両親の寝室に逃げ込んだ。

それが余りに続く為、俺は病院で診察を受けた。医者曰く、『体は寝ているのに脳は眠っていない、目の前に見えるのも

声が聞こえるのも夢と現実が混る同してるから』との事。

少し安心したがそれで金縛りが治るじゃない。

そもそも金縛りのあったその日は目覚めると凄まじい疲労感なんだよね、結局あまり寝れてないんだろうね。

しかしながら人間は何にでも順応するもので、次第に金縛りにも慣れてきた。

その内、金縛り中は暇なのでどこなら動くのか実験する余裕まで出てくる、どうやら眼と舌は動かせるようだ。解ける時はじんわり体が暖かくなってくる、『おっぼちぼち戻るな』と思いやれやれといった感じでほっとする。

ついには予防策まで発見する、体がズシッと重くなりかけた時に体を動かすと防げる事が判明。尚且つ、うつ伏せならなり難い事も判ってきた。

そんな俺が二十歳位に実際体験し、未

だに忘れられない出来事だ。

結構今まで友人(一人を除く)に嘘扱いされたんだが事実です。

大阪の南の方に○○寺という寺があって、とある者の魂を祀ってる寺があったんだ。

※場所を特定する事で気を悪くする人がいるかもしれないので大まかに書きます、あまり公にする様な者を祀ってる訳でもないですしね

そこは山の高台にあって、夜になると夜景が凄く綺麗な所だった。当時バイクに乗ってた俺は彼女と一緒によくそこへ出かけた。行く所がない時は夜景とか観ながら時間を潰してたんだ。

その夜景が見えるスポットから少し離れたお堂にはたくさんの報われない魂を象徴するものが飾ってる。別に気持ち悪いとかそんな感じじゃないんだけど、

何となくそこへ行くのは抵抗があった。そこは街頭が当たらない位置で暗かったし、何か圧迫感とか威圧感っていうのかな?そんな感じがあった

今まで近付けずにいた場所だったんだがその時は別に何も気にせず、普段行った事ないから彼女と一緒にフラフラ行った

そこから俺の記憶が曖昧になった。

覚えてるのは彼女がゴリラになった事

凄まじい殺気を放ってた事

吐きそうになった事

簡単に説明させてもらうと彼女の顔が明らかに別人なんだ、着てる服や体系、髪型もそのままで顔だけがゴリラなんだ。早い話が猿の惑星住民みたいな感じ。

そして俺を殺そうとしてる様に思えた。頭が痛くて吐き気が酷くて訳が分からない取り敢えず目の前にいる化け物を何とか

しなくちゃいけない。

ただ怖かった、そこからはあまり覚えていない

気がついたら彼女の家の近くの公園、隣には泣いてる彼女。

俺もいきなり別の場所に居て、彼女は泣いてる。訳が分からずパニックになって 取りあえず「どうしたの?」と訊いたんだ。

すると彼女が言うには俺が「怖い 怖い 皆が怖い 周りの人皆が怖い」と言って何度も泣きながら彼女を殴ったんだという

本当に俺も訳が分からなくて、どうやってここまで帰ったか?何故俺はそんな事になったのかを訊いたんだが、「怖いから帰る怖いから帰る」と強引にバイクに乗せて帰ってきたんだと

もう完全に意味不明だ、しかし彼女が嘘をついてるとは思えない。口元にうっすら血の痕もあったし

これは当たり前だが俺

は今まで女性に手を上げた事等一度もない、その俺が殴った???????

自分自身かなり怖かったが、この状況じゃ何も話にならない。取りあえず彼女を落ち着けて家まで送って、俺は帰りに友人の家に行った。

すると友人が 「おい お前何やその顔?鏡見てみろ、目の周り真っ黒やぞ!」と言われた

実際俺の眼の周りは真っ黒に染まってた。寝不足で出来るクマなんかとは別物で化粧をした様に真っ黒。俺は改めて背筋が寒くなった

その晩は結局友人の家に泊まらせてもらう事になった、怖くて中々寝付けなかったが知らない内に寝ていた

朝になるとすっかり顔も元通りになり本当に良かったと胸を撫で下ろした

その後はそりゃもう色々彼女の友達の間で言われましたよ、普段

から腹が立ってて殴る理由を探してただとか、別れるきっかけを作ろうとしてただとかね

そしてその問題は全然関係なく、その時の彼女とは何かしらの原因で別れてしまいましたとさ

本当ならこれでお終い、しかし話はこれで終わりじゃなかった

俺はそんな事はさっぱり忘れて日常生活を送っていた

その彼女と別れて二年後位だったかな?携帯に全然知らない番号から電話。とってみるとその彼女だった。

俺 「おお久しぶり」

彼女 「うん、久しぶり・・・今の彼氏に代わっていい?」

俺 「は?何で俺がお前の男と喋らなあかんねん?」

彼女  「ほんまにごめん、ちょっと話聞いたげて」

当時彼女はヤンキー気質があったので新たに付き合ってる

のが族のなんちゃらとは聞いていた、何か面倒な事になんのかな・・・とか考えていたんだ。

しかし実際は腰の低い会話から始まった

彼氏 「ッ ッもしもし・・・ごめんいきなり・・・」

明らかに泣いている

俺 「いや・・別に構へんけど・・・」

彼氏 「俺・・・女と○○寺行ったんやけど・・・」

俺 「は!!!!!???????」

過去の記憶が一気に甦ってきた

彼氏 「周りの人の眼が怖いねん・・・皆めちゃ怖いねん・・・・」

俺は本気でドン引きした・・・・

彼氏 「なぁ!K君(俺)もなったんやろ!?どうすんのこれ?どうしたらいいの!!?」

もう号泣しながら叫ぶ彼氏

俺「大丈夫、しばらくすれば収まるから。取りあえず明るい所で落ち着き、明日になれば何もなくなってるから!」

平静を装ったが俺の体は鳥肌だらけでした

今思い出してもあれは何だったのか分からない。ただ悲しい念がいっぱい詰まったお寺だ、遊び半分で行った俺はそういう人達を冒涜してしまったのかな・・と思った

余談だが、その事を一度調べてもらった事がある。

調べたと言ってもお遊びの占いの館で、違う彼女との運勢みたいなのを占ってもらったついでに聞いたんだけどね

占い師曰く「そこはそういう場所なの、人の念や願いのいっぱい詰まった場所。貴方はそこがどんな場所で何が祭られてて、訪れる人がどんな気持ちか知ってたはずよ。そこに遊びで侵入した罪悪感や、先入観。その思い込みが自分も知らない内にどんどん肥大して貴方を支配したの。 その違う男性も一緒。そこがどんな場所か知ってて、そして貴方の話を知っていた。その人も自分の思い込みや罪悪感に支配されたのね。人間の脳は自分の中で怪物を作り、時には目に見えたり触れたりもするものよ」と言われた。

なるほど・・・と思う反面 そうかあ?と思う気持ちもあり結局何も分からず仕舞い

これだけの経験を以ってしても俺は未だに霊の存在を信じる事が出来ない、いや信じたくないと自分に言い聞かせてるのかもしれない

でも人間の念ってのはやはり凄いものなんじゃないかな、と今になって思う

自殺の名所 なんてものをよく聞くが、そこは凄まじい残留思念があるんじゃないかな。

心霊スポットもそうだと思う、不幸な死を遂げた人の念が残っていてそれを読み取ることで自分自身が支配されるんじゃないかと思う

無論 霊を見た、体験したという人も数多く居るので否定は出来ないし実際にいるのかもしれない

一つ言えるのは人間は得体の知れないものの前では無力だという事。

あの時の俺は全くの無力で取り乱すだけで何も出来なかった、そしてもう二度と経験したくない

乱文で文才のない私の体験談でしたが最後まで読んで頂き有難うございます。

最後にちょっと前の出来事

2歳半になる息子を連れてあるお寺に

羅漢仁王像にお願いする俺と息子

俺 「おっちゃん(仁王像)強そうやろ~?何かあったら守ってくれる様にお願いしような」

息子 「おっちゃん怖い、怖い~」

俺 「大丈夫、おっちゃんにお金あげて 守ってねって言おうね」

そう言って願掛けを済ませて帰る息子と俺

すると息子が・・・・・

息子 「パパ~おっちゃん笑ってるよ~笑ってるよ~」

俺 「もう怖くないの~?」

息子 「さっきまで怖かったけど今は笑ってるよ~」

う~~~~~~~~~ん・・・・・・・子供って不思議・・・・・・・・

皆もこんな経験ありませんかね?

怖い話投稿:ホラーテラー SRさん

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