短編2
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不思議な話

私は、観光スポットでもある大阪の某所の近くに住んでいます。

それもあって、平日でも観光客で賑わう道を普段着でフラフラと散歩する事も珍しくはありませんでした。

その日もいつものように散歩がてら買い物でもしようとその観光地へ出掛けていたのですが、歩いていてふと普段は気にも止めないような小さなお店に目が止まりました。

大して他に目的もなかったのでなんとなしに店の中へ入ると、見た目よりも広く、明るい証明に照らされた店内には自分の他にも数人お客がいました。

5分ほど店内を物色した時でした。突然背後で何かがはじけて光ったような気がしてビックリして振り返ると、私のすぐ後ろにあるレジの棚に小さな石のようなものが売られている事に気付きました。

さっきこんなんあったかな?と思いながら見てみると、丸いハート形の七色に光る薄いピンクの石(?)でした。

私は何故かそれを一目で気に入ってしまい、値段も見ずに即座に購入しました。

値段は確か500円とかそれくらいだったと思います。

それを買ってからというもの、私の周りに不思議な事ばかりが起こり始めました。

夢に、いつも一緒に寝ているクマのぬいぐるみが出てきて「起きて!はやく起きて!」と言われ目を覚ますと、部屋のコンセントから煙が出ている事に気付いて火事を防げたり、

突然頭に数字が浮かび、その数字の通り宝くじを買うと2等(結構な大金)が当たったり、

仕事帰りに見つけた野良猫と目が合って「気をつけて」と言われ(ハッキリと、超音波みたいな声でそう聞こえた)、言われた通り慎重に帰ると、途中車の通りが少なくていつも右左確認せずに渡る横断歩道で信号無視した車が凄いスピードで走り抜けて行ったり…

その事を誰に話しても偶然だと言って信じて貰えませんでした。

でも、2ヶ月ほど経ったある日突然、夜中に声がしました。「もう君は大丈夫。さようなら。」と、そんなような事を言われたと思います。

直感的に、あの石が別れを告げる声だと思いました。

その日は妙に体がだるく、それを確認する事なく寝てしまいました。

次の日、やはり石はなくなっていました。

私は、まるで大切な友達をなくしたかのような不安感と悲しみに襲われました。

あれから2ヶ月ほど経ちましたが、霊感も無くごく普通に生きてきた私にとって人生で一番不思議な体験でした。

因みに、石を買った筈のお店はあれからずっと探していますが、どこにもありません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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