短編2
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サラリーマン

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むかし未明に男の幽霊?をみたことがあった。場所は神奈川県内の山間の道。

その当時、実家にどうしても早急に届けなくてはならない書類があった。

そして午前一時過ぎに車を走らせていた時のこと。民家はポツポツ

あるけれど、みんな寝静まっている時間帯で車もまばらだった。その町を抜けないと

実家のある市には行けなかった。

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上り坂にさしかかり、その先はゆるやかなカーブという地点で、

ヘッドライトのむこうに人が横切ろうとしているのがわかった。

距離としては100メートルくらいかも。ズボンを履いている人でウエストから足元が見え、男性のようだった。

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右の歩道から左の歩道へ、斜めに突っ切るようにスタスタと足早に歩いている。

ここでハッとなり戸惑ったのよ、というのも上半身が見えない。

視力の良い私がキッと凝視しても、下半身しか見えなくて向こうの

視界が広がっていた。なにこれ?ってブレーキ踏んで止まった。あり得ない光景。

するとその人物は向きを変えて車に向かって歩き出した。

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そこで失礼にあたるけどハイビームにしてみたら、ふあっと浮かび上がるように

上半身が見え出した。目の加減じゃない、間違いなく確実に途中から上半身が浮き上がり

だしたんだとわかりゾッとした。年齢は37-38才くらいで、カジュアルな服装だったけど

清潔感のあるサラリーマン風。右手には高級そうなメンズ向けバッグを抱えていた。

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普通なら、ハイビームにされたら睨みつけてきそうなのに、

その男性は一切こちらが見えてないような顔つきで車の横を通りぬけ

リアウインドウに背中を見せることもなく、すーっと消えてしまいました。

あれは生きてい人じゃないと思う。勝手な憶測だけど、そこで撥ねられて

亡くなったのかな?時々、ガードレールに花束などが置かれているから。

Concrete
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