中編4
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見てはいけないモノ

怖い話の類いが好きな方ならばご存知かもしれません。

以前某掲示板内のオカルト板にて、「絶対に見てはいけない画像」という主旨のスレが建てられました。

閲覧者に対して本来何の変哲もない(日本人形数体が並んだ)画像を開かせ、「開いてしまったら、ある儀式?で邪念を取り除かなければいけない」と、スレ主が書き込みました。

数名がそれに釣られ、主の指示する通りの「儀式」を準えていました。

私の大学時代の同級であるA君も、その内の一人でした。

話が前後してしまいますが、私には少々霊感があります。

常に見えるわけでは無いですが、肌で感じる、というか存在を認識することがあります。よっぽど強いモノですと、はっきり見えてしまいますが…

何度か恐ろしい体験をしていますが、今回の話とは無関係ですので、詳細は省かせて頂きます。

私の通っていたとある地方大学のある学部ば、在籍が一学年百人に満たない、非常に小さな規模でした。

一・二年次は講義もほぼ全員で受ける形であったため、同級の大抵の学生は見分けがつくというか、顔は見知っていました。

ある日の講義開始前です。

適当に席に座り、講義が始まるまでの束の間の時間を、仲の良い友人との下らない話で潰していたときのことでした。

会話の最中、突然背中に悪寒が走り、鳥肌が立ち、右側頭部に強烈な頭痛が走りました。

脂汗が滲み、隣にいた友人はあまりに急に血の気の引いた私を見て、動揺しながら心配の言葉を掛けてくれていました。

…が、その時点で相当良くないモノが近くにいることを感じていた私は、友人の掛けてくれる言葉も一切耳に入っていませんでした。

気付いていることに気付かれないように、平静を保とうとすることで精一杯でした。

少し経つと、件のA君が教室へと入ってきました。

すると私の体調はさらに変調を来たし、意識が朦朧とする中で、視線を追わせたA君の後ろ姿を見て愕然としました。

彼が原因であると即座に分かりました。

形容し難いのですが、A君の輪郭がわずかに滲んでいるというか、A君自身が二重に重なって見えたのです。(この辺りの表現はあくまでそう感じた、ということなので、理解しづらいかもしれません。)

混濁する意識の中で、友人に「A君さ、なんか変じゃない?」と訪ねると「そう?いつもあんな感じじゃん。暗いよね。」と返ってきました(…と記憶しています。)

私はそのまま教室を抜け出し、トイレに駆け込み嘔吐しました。

その日はとても講義を受ける気分にはなれず、そのまま自宅アパートまで戻り、布団の中で震えていました。

次の日、右側頭部に鈍い痛みは残っていましたが、どうしても外すことの出来ない必修の講義があったため、思い足を引き摺りながら、大学へと向かいました。

大学に近づくにつれ、悪寒が酷くなりましたが、昨日のような不意討ちでは無い分、意識ははっきりと保つことができました。

必修の講義には、A君も出席していました。相変わらず…の雰囲気でした。

私は意を決して、講義のあとA君に話し掛けてみることにしました。

禍々しさは昨日より薄れ(私が覚悟したためかもしれません)、何よりこのまま放置しておけば、A君はもとより、私にもどんな火の粉が降りかかるか分からなかったからです。

A君とは学食で話をしました。

どことなく目が虚ろで視線が定まらず、思考も鈍くなっているような印象でした。

「最近調子悪く無い?」

『…そう?背中がすんごい筋肉痛ではあるけど』

「…唐突で申し訳ないけど、最近心霊スポットとか行ったりした?」

『…は?いや…無いよ。…あ、……』

その後に話してくれたのが、例の掲示板のやり取りのことでした。

彼が言うには、スレ主の言う通りに手筈を踏み、言われてみればその後から背中に鈍痛が始まったとのことでした。

私は、今すぐにでもお祓いをしてもらって欲しい、という旨を伝え、彼とは別れました。

別れ際、彼が異様な目付きで私を睨んでいたことを、忘れることが出来ません。

結果的に彼はその後亡くなりました。

又聞きの噂話でしかありませんが、発狂し喉を掻きむしりながら、自分の住む部屋のベランダから飛び降りたらしい、とのことです。

彼にどんな憑き物がついていたのかは、分かりません。

しかし私にもその後から数々の霊障が起こり、今も続いています。

それから二週間に一度のお祓いに行き、ある程度は収まりつつありますが、まだ得体の知れね恐怖と闘っている最中です。

「霊を呼ぶ」とされる儀式的なものは、いくつもありますが、遊び半分で手を出して取り返しのつかないことになることは肝に銘じて下さい。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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