短編2
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漁師さんと犬神

俺、四国に凄い田舎に住んでて、子供の頃から知り合いの漁師さんから聞いた話。

たまにその漁師さんと沖に伝馬船だして貰って釣りに行く。

いつものように竿だしてると、その人が「お前足どしたん?」と。

みてみると丸く赤く腫れてる、何処で出来た傷なのかまるで検討も付かない。

漁師さんの顔が急に真剣になり「お前だれぞに恨まれるような事してないか?」と。

全く身に覚えがない事を伝えると「それ犬神かもしれんけん、とりあえず原因解るまで船にはのせれん」と。

釣りは中止、急いで病院に行くことになった。んで見て貰った結果、桜の花粉かなんかに負けてるって言われた。

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それから犬神発言が気になってしょうがなくて、その漁師さんの家で聞いた話

仮にその漁師さんをAさんとします、ちなみに年齢は70代後半かな。

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Aさんがまだ若い時、その漁師町には犬神憑きと呼ばれる家族がすくなくとも4つ以上あったらしい。

その犬神憑きの人達は見た目から違ってて、一目見るだけで解る風貌をしてたそうです。

なにか困ることがあると、と言うより嫉妬、恨みの願い事があればその家に行き

作物、魚等を持って行き対象の人物の名前を言うだけで良かったそうです。

その後その対象の人物の体の一部に犬に噛みつかれたような痣が付き不幸が訪れる、と。

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お払いを受けた後、傷は消えて漁も普通に出来るようになったそうです。

暫くたったある日、犬神憑きの家の人が尋ねてきて、お前の肩に犬神を付けたのは○○だ、と言いに来たそうです。

その時その相手に犬神を憑けてやろうか、と持ちかけられたそうです。

Aさんは気持ち悪いのと、早く帰って欲しい、犬神憑きの人間と付き合いがあると隣人に知られるのが嫌で

丁重にお断りして帰って貰ったそうです。

一応、俺が聞いた話は以上です。

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