中編3
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夢と現実

これは1年前、私が高校3年生のときに体験した話。

その頃は友達とやんちゃしてて、夜中に遊んで警察の人たちと鬼ごっこしたりして楽しかったことを覚えています。

そんなある日のことです。

いつも遊んでた友達と別れて家に帰り、暗い部屋の中で寝ていました。

そして普段は見ない夢を見ました。

そこは小学校のそばのバス通りで、やんちゃしてた友達、7、8人も一緒でした。

その通りには家が並んでいるんだけど、そのうちの庭の広い家に斜めにとめられた車が1台ありました。

車を見ると、助手席に家の人じゃない、見たことのないおばぁちゃんがニコニコ顔で座っています。

shake

その家を通り過ぎた瞬間に、助手席からおばぁちゃんが降りて来て、私たちを追いかけてきました。

手には包丁のようなものをもっていました。

さっきまでのニコニコ顔とは違い、ものすごい形相で睨みながら走ってくるのです。

私たちは怖くなってそのおばあちゃんからとにかく逃げました。

逃げてる先には小学校があり、そこに逃げて込もうとしていました。

でも、小学校にたどり着く前に1番後ろにいた子がおばあちゃんに刺されてしまいました。

次の子も、その次の子も殺されて、私も殺され、みんな死んでしまいました。

そこで目が覚めました。

本当に走っていたかの様に息は乱れて、汗でびっしょりでした。

嫌な、怖い夢。としかそのときは思いませんでした。

でも、夢の話をすると友達は皆その夢を見ていた、というのです。

殺される順番も一緒でした。

それから約1週間ほどは同じ夢を見ていました。

私は夢の中で常に後ろから7番目を走っていました。

そして後ろで刺されてつんざくような悲鳴を上げる友達の声を耳を塞ぎたくなる思いで懸命に走っていますが、結局は殺されてしまうのです。

しかし、確実に小学校に近づいています。

朝起きると必ず汗びっしょりで息が乱れているのです。

いつまでこの夢を見れば良いんだ、と怯えていました。

その夢を見始めて丁度一週間。

またその夢を見ました。

昨日と同じで、みんな走っても殺されていく。

後少しで小学校、というところでおばあちゃんは私のすぐ後ろに迫ってきました。

恐怖と絶望感でおかしくなりそうでした。

刺される、と思った時、私の前を走っていた子が小学校に入りました。

するとすぐ後ろにいたおばあちゃんはものすごい奇声を上げながら消えていきました。

そして小学校の敷地内に、殺された友達が姿を現しました。

そこで夢は終わります。

終わった、となぜか確信し、安堵しました。

でも、本当は終わっていませんでした。

友達と良かった、と喜んだ次の日、最初に殺された友達が腕を火傷しました。

みんな、運が悪かったねーとか、大丈夫?とか特に気にもとめていませんでした。

でもその次の日は2番目に殺された友達が全治1週間の怪我。

3日目は3番目に殺された子。

その子は怪我を恐れて家から出なかったんだけど、料理しているときに包丁で指を切りました。

4日目は4番目の子、と続いていきました。

しかも怪我はどんどん重症になっていくのです。

幸い私は7番目を走っていて、殺される前に小学校に入って殺されずにすんだので、怪我はしませんでした。

でも、6番目のこはほんとに大怪我をして今もまだ入院生活を送っています。

もし私が殺されていたら、どんなことになっていたのか想像するのが嫌になります。

ちなみに、小学校、バス通り、庭の広い家は実際にあり、車も同じ状態でとめられています。

今でもあの夢を思い出して、車から包丁を持ったおばあちゃんが出て来たらどうしようと思うとその通りは通ることができません。

そして多分、これからも通れないと思います。

Concrete
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