中編4
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斬首の刀

はるか昔から日本人のイメージとなっているもの。今ではテレビなどでしかみることはないが、外国人は未だに日本人のイメージの一つとして認識しているだろう。

今回はそんな日本文化を代表する、とある刀の話。

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例の如くMの家に集結する俺達。

代わり映えのないメンバーで集まり、Mの噂話に付き合わされている。

なんでも今回の目標は刀らしい…

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今回の話はこうだ。

K市にある古びた神社?に奉られている刀がある。

刀はその昔、処刑場で首を撥ねるのに使われていた物らしい。

たまに人の目に晒さないと、悪い気が刀に蓄積され続けるとかって、3年に一度だけ、その刀を一般人に公開してるんだ。

それが明後日ってわけ。

あとその刀に纏わるこんな噂もある。

その刀をみた時に、刃のところが赤色に見えたら、それをみたやつになにかしら良くないことが起こるらしい………てさ。

なぁ、見に行こうぜ?

Mの話しを聞き終わると、隣ではぁーって感じのため息が聞こえた。

ため息の主はBだ。

たく…なんで世の中にはMが喜ぶネタがこんなに溢れてんだ……。

小さな声でBが呟いたのが聞こえ、確かに…と心の中で返事をした。

K市までは車で1時間ちょっとぐらいだ。いつものようにTに車を出してもらうことにして、後日K市に向かった。

K市の外れにあるその神社は、人の目を避けるようにひっそりと湖の近くの松林の中に立てられていた。

建物自体は相当古く、こじんまりとした作りになっていた。

俺達の他にもちらほらと刀をみにきた人達がいた。

恐らく地元の人間だろう。

Bは俺は見ないからと、外にでた。

ノリノリのMとビクビクしているTと三人で、刀が奉ってあるところに乗り込んだ。

刀に柄や鍔はなく、刀身が剥き出しの状態でおかれていた。

嫌な威圧感を放っており、近づく者を容赦なく切り捨てそうな気配を醸し出している。

少し見ていると気分が悪くなってきたので、外にようとしたその時。

後ろから物凄い気配を感じ、不意に振り向いてしまった。

刀が目にうつる。

先ほどまでとは異なり、燃えるような赤に染まった刀身が、ただならぬ殺気を放出していた。

あ………紅い……。

思わず呟いてしまい、隣にいたMが刀の近くに寄る。Tも、何もみなかったらしく、刀を見つめていた。

紅い?何もかわった様子はないぜ?

目を擦り、もう一度刀に目をやると、何事もなかったかの様に刀は元の姿に戻っていた。

その場に三人で立ち尽くしていると、

凄い勢いでBが、神主さんらしい人を連れて俺達のところにきた。

おい!○○(俺の名前)何があった?

険しい顔つきのBと神主さんに、もの凄い殺気を感じ、振り向いたら刀が真っ赤に染まっていたことを伝えた。

慌てた様子の神主さんと、何か考え込むようなB。

アタフタしているMとT。

Bと神主さんの様子からただ事ではないことを悟った俺。

背中に嫌な汗が流れる……

……熱っ!!

不意に首の当たりに熱を感じた。

手で触れて見ると、ミミズ腫れのようなものが首筋についていた。

何が起きたかわからず、首筋を押さえていると、神主さんが、小さいナイフのようなものを取り出し、慌てて俺達全員に指先を軽く切れといってきた。

みんな慌てながら、指先を切る。

滲み、滴り落ちる血を神主さんは小さなビンにいれた。

そのまま刀にビンに溜まった血をかけると、刀は一度真っ赤に染まり、その後すぐに元の色へと戻った。

気がつくと首筋に走った熱は冷め、痛みも引いていることに気づいた。

何がなんだかわからないが、神主さんに話しを聞くことにした。

俺はどうやら刀に魅入られてしまっていたらしい。

刀に魅入られてしまった者は首筋に傷が走り、何もしなければその傷が深くなり続ける。

今まで刀に魅入られた者も数えるほどしかおらず、神主さんの代では初めてらしい。

刀を鎮めるには血を刀身に捧げるしかないと。

一人の血ではだめらしい。運がいいのか、悪いのか俺達は4人で来ていたのでなんとかなったみたいだ。

それでも刀を鎮めるのは一時的なもので、その後三ヶ月にわたり、俺達は毎週血を捧げるためにそこに通った。

俺の首には、今でも後ろに薄く刃物で切ったような後が残っている………。

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