短編2
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悪夢と声

知り合いが小学生の時に体験した話。

その日、彼女は何気無くいつも通りに眠りについた。

普段から夢はよく見る方だった様だが、悪夢はこの日が初めてだったようだ。

その内容というのが、

いつもの通学路を仲の良い友達と歩く自分。

空はどんよりと暗い。

しばらく歩いて気付く。

彼女は全く知らない一本道を歩いていた。

いつも通る通学路なら間違うはずはないのだが。

その道を歩いていると、両脇からたくさんのホームレスが現れる。

ぞろぞろと寄ってくるやいなや、彼女と彼女の友人の手足を引っ張るのだ。

そして、助けてともがいていると、ふと場面が変わり、次の瞬間、彼女は一人で暗いトンネルの前に立っていたという。

トンネルから男の子が出てくる。

そして、彼女に「あそぼ。」と言うのだ。

彼女は恐怖で声が出ない。

なぜなら、その男の子の顔はこの世のものではないからだ。

目は黒目のない真っ白な目、そして口が裂けたわけではないが口裂け女のように大きな口をしていたという。

彼女はトンネルとは逆の方向に必死に走って逃げた。

男の子はそれを笑いながら追いかけてくる。

しかし、男の子はとても速く、あっという間においつかれてしまう。

そして、追い付かれた彼女は男の子に手首を捕まれた。

彼女は恐怖で気を失った。

目が覚めると、彼女はベッドで寝ていた。

しかし、金縛りで動けない。

そして、気付いた。

自分の部屋ではないことに。

その部屋は非常に綺麗な部屋で、天井にはシャンデリアがあった。

金縛りで動けない彼女はシャンデリアをみていると、突然、シャンデリアから死神が現れ、彼女に向かってきたのだ。

そこで彼女は夢から覚め、飛び起きたそうだが、金縛りの間、終始、「助けて!」と声はでないが叫び続けていたようだ。

そして、飛び起きた瞬間に同時に「助けて!」と声が出たのだが、

その叫び声が、

小学生の彼女からは想像もつかない、

ボイスチェンジャーで変えたような、低い男性の声だったそうだ。

怖い話投稿:ホラーテラー カウプさん  

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