長編10
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友人の話1

お久し振りです、社木です。

最後に投稿して1ヵ月以上たってますねww

その理由は、新学期が始まったりしてちょっとゴタゴタしてたのと、今回の話をまとめるのに時間が必要だったからです。

今回は友人が15日間にわたって見た夢の話。

怖い、というよりよく分からない話です。

長い話なので暇な人向け。

…………………………………………………………………………………

8月20日、友人が突然私の家に来た。

友「ちょっと相談したいことがある」

私「いきなりどうしたし」

友「3日間、変な夢見てるんだよね。で、アンタだったらそういうの詳しいと思って」

私「そういう話を聞くのは好きだが、詳しいかどうかは…」

そんなことを話しながら、結局話を聞くことになった。

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始まりは8月17日、いつものように友人は眠りについた。

しばらくして謎の浮遊感を感じて目を開けると、体が紫色の空に向かってゆっくりと上昇していた。

飛んでいる、ではなく上昇している。

自分の意思に関係なく体が上へ上へと行く。

この時点で友人は夢を見ているのだと思ったらしい。

そして雲をこえ、それでも続く紫色の空を上昇していると、大きな扉が見えた。

友人の体はその扉の前で停止し、それと同時に扉が開いた。

扉の先には青白く光る道があった。

友人の体は今度は前へ移動し、道の上に降り立つと自分の意思で体が動かせるようになった。

後ろを見ると、いつの間にか扉は閉まっている。

友人は扉に何か書かれていることに気付き、近付いてみた。

扉には彫刻がほどこされていた。

【進めば迷子、戻れば罪人、ここに留まれば木偶の坊、さあさあ君はどうするつもり?】

そう彫ってあった、日本語ではない言語で。

しかし友人は何故か読め、そして覚えていた。

友人は

「罪人もでくの坊もいやだなぁ…、迷子なら誰か助けてくれるかなぁ」

なんて思って、先に進むことにした。

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青白く光る道を進む。

道以外何もない、さっきまで上に広がっていた空もない、あるのは道だけ。

しばらくすると声が聞こえてきた。

『迷子迷子、君は迷子。この道を進むしかできない迷子。どこにも行けない、どこにも着けない、ひとりぼっちの迷子、可哀想な迷子。』

そう、歌うように言った。

友人はキョロキョロと辺りを見回した。

しかし誰も見当たらない。

『当たり前当たり前、君は迷子。ここには迷子以外いないもの。』

そう言った後、ケラケラ笑いながら声は遠ざかっていった。

「なんだったの、さっきの…」

そう思いながらも先へ進む。

すると分かれ道を見つけた。

その道は右・真ん中・左の3つに分かれていた。

友人はどっちに進むか悩んで、右の道に行くことにした。

右の道をしばらく進むと、また分かれ道が見えた。

先程の道と同じように右・真ん中・左の3つに分かれていた。

友人はまた悩み、今度は真ん中の道を進むことにした。

そしてその進むと、また分かれ道が見えた。

その道も右・真ん中・左の3つに分かれていた。

友人は左の道を進んだ。

その後も等間隔で分かれ道を見つけた。

もう幾度となく道を曲がり、今はどの方向に向かっているのか分からなくなっていた。

何度目かの分かれ道を見つけた時、ふと友人は思った。

「もしかしたらずっと同じ分かれ道を通ってたんじゃないか?」と。

そこで髪につけていたヘアピンを道に置いていくことにした。

そして右の道を進む。

再び分かれ道を見つけた時道を見ると、そこには置いてきたはずのヘアピンがあった。

今度は真ん中の道を進む。

また分かれ道を見つけた時、道の上にはヘアピンがあった。

左の道を進む。

分かれ道を見つけた時、案の定ヘアピンはそこにあった。

「ああ、やっぱりか」

友人はずっと同じ道を進み続けていたのだ。

その事に気づいた瞬間、あの声が聞こえてきた。

『迷子迷子、君は迷子。ようやく気付いた?ようやく気付いた!やったやった、君は迷子!』

先程とは違って、とても嬉しそうな声が響く。

そこで友人は目が覚めた。

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8月18日、変な夢を見たが気にしないことにした友人は、特に変わりなく眠った。

すると昨夜と同じ夢を見た。

紫色の空を上昇し、扉の内側まで行くところまでは一緒だったらしい。

【進めば迷子、戻れば罪人、ここに留まれば木偶の坊、さあさあ君はどうするつもり?】

この文章も変わらず存在した。

友人はおもしろがって、「迷子」になったのだから今度は「罪人」になってやろう、なんて思って扉に手をかけた。

すると、重そうな扉は簡単に開いていった。

その先には紫色の空が広がっているはずだった。

だがその時友人の目に入ったのは、赤黒い、酸化した血液のような色をした荒野だった。

ポカーンとしていた友人だったが、ふと気づくと扉も背後にのびていた青白く光る道もなくなっていた。

友人は荒野を進むしかなくなった。

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しばらく進むと、後ろから地響きのような音が聞こえてきた。

ドドドドドドドドドドドドドドド………

だんだん近づいてくる音に思わず友人は振り向いた。

黒い人の形をした何かが、群れになって友人に向かって走ってきていた。

「?!」

友人は黒い何かから逃げるため走り出す。

「なになになになに?!何なのアレ?!!!」

パニックになって叫びながらも、友人は走り続ける。

すると赤黒い地面から黒い手が出てきて、友人の足を掴んだ。

「…っ!」

友人はそのまま転けた、だが黒い手は足を離さない。

後ろからは黒い何かが徐徐に近づいてくる。

友人は黒い手を外そうと必死になる。

その間にも黒い何かは近づいてきて……

結局友人は捕まってしまった。

黒い何かは黒い煙のようなもので友人の体を縛り、担ぎ上げる。

そしてそのまま何処かへ向かって歩き出す。

すると何処からともなく声が聞こえてきた。

『罪人罪人、君は罪人。罰を受けるしかない罪人。罪を犯し、処刑されるひとりぼっちの罪人、憐れな罪人。』

以前と同様、歌うように言った。

「処刑?いったいなんのこと…」

そう呟くと再び声が聞こえた。

『仕方ない仕方ない、君は罪人。罪を犯せば償わなくちゃあいけないよ』

ケラケラ笑いながら声は遠ざかっていった。

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そして黒い何かの歩みが止まった。

友人は黒い煙のようなもので縛られたまま、地面におろされた。

目の前にあるのは、断頭台だった。

友人はキョトンとしていたが、いきなり体を引っ張られ、断頭台の前まで連れてこられた。

そして頭と手を固定されそうになった。

「いやっ、ちょっと待って…!」

友人は焦って、必死にもがく。

しかし体は縛られたままで、数体がかりで押さえられているために、とうとう固定されてしまった。

そして刃がゆっくりと上げられていく。

「いっ、や…だ!」

友人は泣き叫ぶ、するとまた声が聞こえた。

『罪人罪人、君は罪人。ようやく気付いた?ようやく気付いた!君の恐怖は罪の重み、君の泣き声は罰の重み!やったやった、君は罪人!!』

さも嬉しそうにキャッキャッと笑う声。

『さあさあ落とせ!その刃!さあさあ落とせ!その首を!』

そう歌い叫ぶように言われたと同時に

刃は落とされた。

そこで友人は目が覚めた。

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8月19日、昨夜の夢は流石に堪えたらしい。

しばらくは目が覚めていたのだが、それでもいつの間にか眠っていた。

そして一昨日、昨日と同じように紫色の空を上昇し、扉をくぐった。

【進めば迷子、戻れば罪人、ここに留まれば木偶の坊、さあさあ君はどうするつもり?】

この文章も変わらず存在した。

友人は昨日味わった恐怖から「罪人」にはならないと決め、今度は「木偶の坊」になろうと思った。

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道の上に座り込み、目が覚めるのをただひたすら待った。

するとあの声が聞こえてきた

『木偶の坊木偶の坊、君は木偶の坊。そこにいるしかできない木偶の坊。何もしない、何もできないひとりぼっちの木偶の坊、愚かな木偶の坊。』

いつものように、歌うように言葉をつむぐ。

「またか…」

友人は若干うんざりしたように呟く。

『一緒一緒、君は木偶の坊。この世界にいるんだからずっと一緒だよ』

ケラケラ笑いながら声は遠ざかっていった。

「本当に何なんだ、あの声は」

することもなく、ぼんやり呟く。

またあの声が聞こえることもなく、どれだけの時間がたったのか分からなくなってきた時、友人はある異変に気付いた。

右足が動かないのだ。

恐る恐る下を見ると、足の先から白い何かで覆われ始めていた。

「?!何、これ…」

よく分からない何かでどんどん足が覆われていき、動かせなくなっていく。

焦って剥がそうとしてもとれず、むしろ触れた部分から更に広がっていく。

「や…だ…」

いつしかそれは友人の顔まで覆い始め、声もほとんどだせなくなっていた。

『木偶の坊木偶の坊、君は木偶の坊。ようやく気付いた?ようやく気付いた!なぁんにもできないなら、動く意味もないだろう?やったやった、君は木偶の坊!』

その声が聞こえたと同時に、友人は何かに完全に覆われた。

そこで友人は目が覚めた。

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友「…という訳なんだが」

私「厨二乙」

友「いや違うから」

私が冗談めかして言うと、友人は笑いながら言葉を返してきた。

友「まあ、アンタに話してちょっとは楽になったかな?」

私「それはよかった。でもさ、もう全部の選択肢を選んだんだから大丈夫なんじゃない?」

友「だといいけどね。でもさ…もし、ってことはない?」

私「ああ、なるほど。じゃあさ、またその夢を見たら道から飛び降りれば?」

友「は?」

私「だからさ、道っていう位なんだから横幅に限界があるんでしょ?」

友「ああ…、3m位だったかな?」

私「もう選択肢がないならイレギュラーなことをすればいいじゃない!ということで、道から飛び降りる」

友「なるほど。…もう方法もないしやってみるか」

私「その前に夢見ないといいね。まあ、結果報告よろしく」

友「あはは…興味あるんかい」

私「もちろん!」

友「分かった分かった、じゃあ明日メールする」

その後はくだらないことをしゃべって、友人は帰っていった。

翌日、友人からメールが来た。

「またあの夢を見た」と。

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友人はまたあの扉をくぐり、道の上に立っていた。

【進めば迷子、戻れば罪人、ここに留まれば木偶の坊、さあさあ君はどうするつもり?】

この文章も変わらず存在した。

「また、か。でも今日はどれにもならないんだから!」

そう宣言すると、友人は早速道の端へ向かった。

道の端から下を見ると、何も見えないほど暗かった。

「ちょっと怖いな…」

そう思いながらも、これで夢を見なくなるかもしれないと信じて友人は道から飛び降りた。

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辺りは暗く、今自分は落ちているのかどうかも分からないなかで、友人は目覚めるのを待っていた。

時間がたつほど不安が大きくなっていく、それでも友人は待ち続けた。

しかし、いつまでたっても目覚める気配はない。

「どうして?!」

思わず友人は叫ぶ。

しかし声は何処かに吸い込まれたように消えていった。

『囚人囚人、君は囚人。わざわざ自分から檻に入ってきた馬鹿な囚人。そこから出れない、二度と光を見ることもできないひとりぼっちの囚人、存在しない囚人。』

あの声が響く。

「囚人?どうして…」

しかし、いつものようにあの声が返事を返すことはなかった。

そこで友人は目が覚めた。

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私は友人を元気づけることしかできなかった。

そしてその後も友人は、10日間にわたってあの夢を見続けた。

そのたびに友人は夢から逃れようと、「迷子」になって別の道を進んでみたり、「罪人」になって黒い何かから逃げきろうとしたり、「木偶の坊」になって待ち続けてみたり、「囚人」になってこの世界に変化をもたらそうとしたり、様々なことをやってみた。

しかし夢を見なくなることはなかった。

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8月30日、私は友人に明日学校が終わってから家に泊まりにくるかどうか、電話して聞いてみた。

私が一晩中起きていて、もし友人が夢を見ているようならば私が起こすから、と言うと友人は

「ありがとう、私もそろそろ限界っぽいからさ。お願いできるかな?」

と、疲れた声で言った。

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そして8月31日、午後7時頃に友人は来た。

それからしばらくは友人と話したり、週末課題をやったりした。

深夜2時、それまでは粘っていた友人はついに眠りについた。

30分ほどたった頃、友人はうなされ始めた。

私は友人を起こすために、体を揺すった。

「おい!起きろ○○(友人の名前)!!」

すると友人は飛び起きた。

友人の息は荒く、落ち着くまで待った。

10分ほどたった頃、友人は「ありがとう」と一言礼を言った後、何を見たのか教えてくれた。

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友人はいつもの様に青白く光る道の上に降り立った。

そして扉を見ると、あの彫刻の内容が変わっていた。

【最終判決は今日くだされる】と。

「最終?…今日で終わるの?!」

友人は思わず声をあげる。

その直後、大きな揺れが友人を襲った。

「っ?!」

あまりの揺れに友人はどうすることもできない。

何処かから声が響く。

『御仕舞い御仕舞い、これで御仕舞い。君はもはやこの世界の住人さ!』

そう叫ぶ声に友人は恐怖した。

「いやだあぁぁあ!!!」

すると何もない上の空間にヒビが入った。

ボロボロと欠片が落ちていく。

『残念残念、邪魔が入った。もう君を引きずり込むこともできない。自由自由、君は自由』

この声が聞こえたと同時に友人は目が覚めた。

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この後、しばらく様子を見ていたがそれっきりあの夢は見ていないそうだ。

そして何だかんだ関わっていた私も特に変わったことはない。

結局あの夢はなんだったのか、それすらも分かってない。

とにかく分からないことだらけの出来事だった。

…………………………………………………………………………………

久々に文章を書いて、小説風になった不思議←

もし、この手の話に詳しい方がいらっしゃるなら何かコメントしてもらえると嬉しいです。

質問にもできる限り答えさせていただきます。

最後にこんな長文駄文にお付きあい下さり有り難うございました。

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