短編2
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あるところで殺人事件が発生した。

被害者の女性はナイフのような刃物で首を掻っ切られて死亡しており

その凶器と思われる刃物は現場近くの茂みから発見された。

現場には犯人のものと思われる、学生証が残されていた。

それが決め手となって、犯人はあっさりと逮捕された。

驚いたことに、犯人はある進学校に通う女子高生であった・・・・・

警察や、その子の親や友達、そして周りの大人たちは言葉を失った・・・

その子は、小さい頃から気性が穏やかで大人しくて、勉強もよくできた子だったから

しかし警察による事情聴取で明らかになったことは、周囲をさらに驚愕させるものであった・・・

まず警察がその子に尋ねる。

「まず、なぜ君は人を殺したんだ?動機はなんだったんだ?」

その問いに対して、少女は悪びれる様子もなく淡々と理由を述べた。

「人を殺してみたかったからです。人を殺すってどんなことなのか・・・自分でやってみたかったから・・・

人を殺してみたかったからです。」

警察が黙って聞いているとその子は続けて言った。

「学校はつまんなすぎて腐ってるし・・・毎日本当になんにもなくて・・勉強以外なにもなくてつまんなかったから・・・

何か刺激とかが欲しかったんです。・・・捕まったら刑務所に入れると思ったから、現場にはわざと学生証を残しました。」

警察がなぜ刑務所に入りたいとなど思ったのかと聞くと

「そうすれば、学校に行かなくて済むから。」

という答えが返ってきた・・・

そして最後に

「この世は腐ってます。」

それで取り調べは終わった。

その後その子がどうなったのかは知らない。

ただ、その一連の供述を聞いた警察官が感じたことは

自分の興味と刺激だけのために一人の人間の命を奪った少女に対する怒りと

荒んでしまったその少女の心に対する、不可解さや悲しみ、そしてこんな子供を生みだしてしまうような現代の日本の社会に対する恐怖と悲しみだった・・・・

幽霊も怖いですが、荒んでいる現代人の心もかなり怖いと思いませんか?

長文失礼しました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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