中編7
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憑かれた出張①

※この話しはPCサイトのコピペになります

とは言っても投稿者は私の兄で…

所謂、見えちゃう人です。

PC派の兄が間違って他サイトに投稿したので

許可を得てコピペ投稿致します。

因みに全て実体験です…ではどうぞ

 投稿者 スナフキン 様

北海道旭川在住です。

これは10年前のお盆時期の出来事です。

当時私は、2t箱車のトラックドライバーをしておりました。

道東担当で毎週1泊2日で決まったルートを走るルートセールスってやつです。

17時頃、帯広での仕事を終え、私は釧路の常宿に向かい車を走らせていました。

朝から重かった空がとうとう泣き出し霧雨に近い雨模様の中、

ちょうど帯広と釧路の中間地点辺りに差し掛かりました。

季節は夏ですから、夕方とはいえ普段は明るく走りやすい道路なのですが、この日はあいにくの雨・・・・

更に道東特有のジトっとした霧が立ち込めていました。

「そろそろアソコだな」

前の週に事故のあった場所です。

もう何年も同じルートを走っているので、知らず知らずの内にそういう場所が、頭にインプットされていました。

前の週にソコを通った時は、道路脇の草むらに車が突っ込んだ跡があり

道端には、缶ビールと花が手向けてありました。

正に当日、もしくは前日に事故った現場といった感じです。

私はそういう場所に出くわすと(花が手向けられている場所)運転しながら

無意識の内に軽く会釈をしてしまいます。

その行為がいけないのかもしれません。

その日も軽く会釈をして宿に向かったことを覚えています。

さて、前の週のこともあり、ついつい意識をしながらその場所を通り過ぎた

私は若干の違和感を感じました。

それは、供え物や花が散乱し親族の方々がその後顔を出していない感じがしたからです。

「かわいそうになぁ」

私はついつい思ったことを口に出してつぶやきました。

その瞬間、車内の空気がググっと重くなるのを感じます。

「あっ!この感じはまずい・・・・」

普段から霊感のある私は、何も起こらない事を心から願いましたが

何気に見たルームミラーに、初老のおじさんが映っていました。

勿論、車内には私しかいませんし、トラックは箱車ですから

ルームミラーに、私以外が映り込むことなど有り得ません。

「あちゃー!連れて来ちゃった…」

と一瞬思いましたが、そのおじさんは別段血が流れている訳でもなく、

全くオドロオドロしさを感じなかったので

「自分には何もしてあげられないから勘弁して」と告げて無視することにしました。

おじさんは「スっ」とミラーから消えましたが

肩にはズッシリと重たい感じが残っていました。

仕事の疲れと予想していなかった霊体験で

とにかく早く宿に着きたかった私は、釧路に向けて車を走らせます。

辺りもすっかり暗くなり、右側に太平洋を臨みながら釧路の街の灯りが見える頃には

車内の淀んだ空気も、肩の重みの無くなり

「やっと諦めて帰ったか」

と思っていました。

20時頃、釧路市内に入り宿に向かっていたのですが「おじさん」から開放された安堵感からか

気が大きくなり、スロットを閉店まで打ってから宿に向かいました。

7万程勝ったので、美味しいものでもと思ったのですが、時間も遅かったので

宿の隣のセイコーマートで、一番高いお弁当と

500のビールを2缶、おつまみバスケットを買って宿へ。

この宿は、市内にありながら建物も古く決して綺麗とは言えませんが

素泊まりの値段がべらぼうに安いので、常宿にしていました。

よく工事関係者が長期滞在で利用するような宿です。

夫婦で営んでいますが、大学生の綺麗な娘さんとおばあちゃんが1人同居していて

誰もいなくなった食堂で、娘さんが教科書を広げながらレポートをまとめている姿と

おばあちゃんが信心深いのか、常に線香の香りが漂う様な超アットホームな宿でした。

さて夜食も買い夕方の忌まわしい記憶も忘れ、宿の戸をガラガラっと開けます。

時間も遅かったので、宿の電気は全消灯で暗く外の街灯が若干玄関を照らしていました。

いつもよりキツイ線香の香りが鼻を突きます。

「お盆時期だし、おばあちゃんいる家はこんなもんだ」

などと勝手に解釈し、靴を脱ぎ頭を上げた瞬間!

目の前に、和服姿のおばあちゃんが立っていました。

(宿のおばあちゃんでは無いおばあちゃん)

正確には、格子のガラス引き戸の向こう側

食堂にあたる所で、身体の廻りを綿アメで縁取りした様なルックスは

一目でこの世の者では無いことが理解出来ます。

「おじさんの次はおばあさんかよ~」

当然そう思いましたが、ここは無視!

何も見なかったことにして、決まっている自分の部屋に向かいました。

飯の前に風呂に入りたかったので、食堂の前は通りたくなかったのですが風呂に向かいました。

その時には既におばあさんの姿は無く一安心。

部屋に戻りビールを飲みながら今日あったことを考えていましたが「おじさん」も「おばあさん」も全く知らない人だったし何も語ってくれない。

生きている他人の考えていることも判らないのに死んでいる者の思いなど判るはずも無い!

という結論に達し、布団に入り電気を消しました。

ちょっとウトウトし始めた頃、「ピキッ、ピキピキピキッ!」建物が軋む様な音がします。

「マジかよ~」

これは私の金縛り前の合図・・・・・

安の序、次の瞬間・・・・

いつも目だけは動くので、暗い部屋の中に目を凝らすと

足元の部屋の右角に夕方のおじさんが、座っていました。

暗いのにはっきり判るのが不思議です。

「だから・・・俺に憑いて来ても何もしてあげられないよ!」

私は心の中でそう言うと、眠気と普段からの金縛り慣れからかそのまま朝まで寝てしまいました。

翌朝、外は打って変わってのピーカン天気!

昨日のことは昨日のこととして気分も新たにトラックに乗り込み何事も無く

釧路の営業を終え後は、旭川に帰るだけです。

釧路を出たのは18時頃で22時には旭川に到着予定です。

帰り道は寄る所も無いので、いつも大雪山を横切る最短ルートで帰ります。

このルートでの逸話も多々あるのですが、それは追々・・・・

釧路を出て左側に太平洋を望みながら軽快に走っていると

何やらまた怪しげな胸騒ぎがジワジワと湧き出てきました。

海を背に山側に進路を取った辺りからまた車内の空気が淀み始めました。。。。。

「また来るな・・・・」

そう思った瞬間、またミラーにおじさんが現れ何かを喋っていますが聞き取れません。

「何を言ってるの?」

私は言葉に出して聞きました。

すると・・・・・

「・・・・・伝えて欲しい」

確かにそう聞こえました・・・・

私のすぐ耳元で・・・・

吐息すら感じます。。。。

その後運転しながら話を聞くと・・・・

事故の後、救急車で運ばれたおじさんは病院で家族と対面しそこで死亡が確認された為に

事故現場には、初回に職場の人が来てくれただけで、その後は誰も来てくれず悲しいこと。

そして、事故が直接の死因ではなく、心筋梗塞により意識を失い路外逸脱、そのまま病死し

自分はまだ事故現場にいること。

なるほど!

だからつい「かわいそうに」とつぶやいてしまった私に助けを求めてきたのか!

とは思いましたがそれは正直筋違いな話!

私は、今言ったことを私ではなく親族に直接伝えることを強く勧めました。

親族や生前の知り合いに一人くらいは「判る」方がいると考えたからです。

要は「俺のところじゃなくて知ってる人の所に出ろ!」とww

そんなやり取りをしている内に旭川に到着しました。

おじさんは、私に負ぶさる様な格好で憑いています。

あっという間の4時間弱でしたが、事情が事情だけに会社へ寄ることも出来ず、携帯で直帰することを伝え、

家で待つ嫁さんにも「玄関に塩」と酒を準備しておくように伝えました。

嫁さんも慣れたもので「ハイハイ」と言ってましたw

家にトラックを横付けし酒を一口含みました。

その瞬間、おじさんが私から離れていくのを感じます。

そしておじさんの気配が完全に消えてから自分に塩をふりかけ

一応家の四隅とトラックに盛り塩をして家に入りました。

「どーしたのそれ!」

嫁が私の首廻りを指差し言います。

Yシャツの首廻りと言いますか丁度人を負ぶった時に腕が廻る部分がべチャべチャに濡れていました。

嫁が一言!

「これって他のモノと一緒に洗ってもイイの?」

私は笑いながら「ああw」と答えた。

次の週、私はおじさんの死んだ現場に車を停めた。

沢山の花やお供え物が綺麗に並んでいる。

「やれば出来るしょ!おじさん」

私はまた独り言を言いながら線香に火を点ける。

お盆をチョット過ぎた晩夏の夕方・・・

事故現場とは思えないほど澄んだ空気と

清々しい風が流れていた。

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