短編2
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だれ?

これは私が18歳の時に体験した話です。

当時私は魚の卸業をしていました。

仕事は午前3時から。

大変ではありましたが

同僚やお客様に恵まれ

充実した日々を送っていました。

住まいは実家から車で1時間半程離れた

少し開けた街で独り暮らしをしていたのです。

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ある時、実家に用事があり帰宅しました。

用事が済み次の日も仕事だったので

帰る予定だったのですが

実家に帰った安心感からか

しばらく眠ってしまったのです。

午後7時頃に目が覚めましたが

今からアパートに帰ってまた寝て仕事に行く事がおっくうになり

そのまま実家で眠り、仕事に行くことにしました。

午前1時に実家を出発し、仕事に向かいました。

実家はとても田舎にあり

外灯などもほとんどありませんでした。

車のヘッドライトの光のみで

まだ暗い田舎道を走りました。

走り慣れた道。

30分程走った所に1つだけ、外灯があります。

大きくカーブした道で

事故防止のためだと思います。

そのカーブに差し掛かった時。

外灯の所に誰か立っているように見えました。

こんな時間に、誰が?

しかし、この暗がり。

見間違えかもしれないと思い

さほど気にもせず

走り続けました。

しばらく行くと

急に猫が飛び出してきたのです。

私は驚き、急停車しました。

ひいてしまった!?

と思い車を降り確認しました。

幸い猫はひいておらず

ひと安心。

再び車を走らせようと

シートベルトをしようと手を伸ばした時・・・

運転席の窓に

目を異様に見開いた顔が……

私は息をするのも忘れ

シートベルトに手をかけたまま

固まってしまいました。

たぶん女であろうその顔は

私をじっくり見て

『だれ?あんたは・・・ちがう』

と言い残し、暗闇に消えていったのです。

私は無我夢中で車を走らせ、仕事場へ向かいました。

とにかく人に…顔見知りの人間に会いたかったのです。

あれは一体なんだったのか…。

誰かを探していたのでしょうか。

あれ以来、夜中にあの道を通ることはなくなりました。

彼女は今も誰かを探しさ迷っているのでしょうか…

Concrete
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ずっと探してるのかな?

犯人を。

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