中編3
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自殺者の霊

初投稿です。

今までこういう話を書いたことがないので

怖くないかも知れませんが

どうか宜しくお願いします。

music:1

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これは九州の某所のおはなし

そこはある山で、中腹に木でできた大きな橋がかかっていて

地元の人からは自殺の名所として噂される

そんな場所。

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ある日。とある二人のカップルがドライブがてら

立ち寄った。

その自殺橋のある山はそんな噂がたってはいるが

頂上の展望台から見える景色が人気で

そのカップルはそれを見てドライブデートの締めにしようと考えていた。

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綺麗な景色を楽しんだあと、

やはりそのカップルも自殺橋のことを知っていて

肝試しがてらちょっといってみようとなった。

時刻は深夜1時過ぎ。

頂上には人がいたが自殺橋の辺りにはやはりあまり人がいない様子。

「橋を往復して戻るだけだから大丈夫だよ」

と彼氏が言う

彼女は怖かったが、好奇心のほうが勝り彼氏のすぐ後を手をつなぎついていく。

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橋の先はその日は何故か霧が濃かった。

カップルはそこで気付くべきだったのかもしれない。

何せ山の麓から頂上までは霧などかかっておらず

澄み渡っていたのだから

二人が歩くその橋は大人四人程が歩ける幅で

歩く度にギシギシ軋む

「雰囲気あるなぁ」

そんなこと言いながら二人は恐怖もあったが

肝試しを楽しんでいた。

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そしてそんな時だった。

橋の真ん中まで行こうとするあたりで

人影を見つける。

music:2

姿が見える。白いワンピースをきた女。

こんな時間に一人でいるのだ。肌は異様に青白く、手すりに手をかけ橋の下を俯きみている。

髪型は長くはなかったが顔は見えない。

あからさまにただならぬ雰囲気を感じた。

「あっ」

彼氏は小さく声をあげようとしたがぐっとこらえ

彼女を見やる

彼女はビクつきながらキョロキョロしているが

気づいていない。

いや、見えていない?

そこで彼氏はある程度察する。

この女はこの世の者では無いのだ。と

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だが彼女が気づいていないし、なおかつ自分で往復しようと言った手前

戻るという選択肢はなかった。

このまま気づかないフリをしていれば...

そう考え、彼氏は恐怖を内にねじ込め彼女の手を握る力を強め

その女を通り過ぎた。

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その時だった

music:3

ドン

と不意に鈍い音が聞こえた。

彼氏は少しビクッとしたが彼女にはやはり聞こえもしていない様子

彼氏はなんとなくを装い振り向くと

女がいなくなっていた。

彼氏は不気味に思いながらもいなくなったことに幾分安堵した。

そしてそこからはなにも起こらず向こう側につき

また戻るだけとなった

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だが

居るのだ。また。あの女が。

彼氏にまた恐怖が襲う。

しかし戻るにはこの橋からしか戻れない

彼氏は努めて気づいてないふりを装い彼女になんでも無い話をする。

その時また

ドン

鈍い音がした

今度は通り過ぎてないから彼氏は見えてしまう。

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music:6

その女は橋から崩れ落ちるように落ちて行ったのだ。

ドンという音は女が橋の下の地面に打ち付けられる音。

「うわぁぁああああぁあ‼‼‼‼」

全てに気づき彼氏は彼女の手を引き走った。

全力で橋の上を渡り切り

混乱する彼女を車の助手席に無理やりのせ

自分は運転席に飛び乗る。

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「どうしたのっ!?」

彼女は訳がわからぬ恐怖に慄きながら彼氏に聞く。

「あとで話すっ!とりあえず出よう!帰ろう!」

彼氏は声を張り上げそれだけ言うとシートベルトに手を伸ばそうと無意識に窓側を見た。

いた。

先の女がすぐ目の前に。

血だらけの手を窓に打ち付けこちらを見ていた。

顔が見えなかった?

顔は無かったのだ。血塗れでぐちゃぐちゃになった顔らしきものを人の顔と果たして言えるのであろうか

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その物体の口のようなところからそれは一言だけ

言った。

「見えてるじゃない」

とーーーーーー。

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music:4

これはあとがきなのだが

自殺者の霊とは成仏出来ず、死んだ時の状況をひたすら繰り返すのだそうだ。

何度死んでも成仏出来ない。痛みと、苦しみ

ずっと繰り返す。

あの女は助けて欲しかったのだろうか、

延々と繰り返される

地獄の連鎖を。

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wing-zeroさん貴重な感想本当にありがとうございます!
より良いものを書けるよう頑張りますのでよろしくお願いします!

淡々と語る感じが良いですね。

あとがき部分はひとによりけりだとは思いますが、自分は良いと思いました。