中編2
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人間

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私は 平凡な フリーターだ

ただ ひとつだけ 特徴があるとしたら それは 自分には これといった特徴がないことが 特徴である

人間誰しもひとつぐらい 良い所があるはずなのだが 私にはない これといって

夢を持っているわけでもなく 日々過ぎ去っていく 惰性した日々をすごしている

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そんなある日 私のもとに 一本の電話が届いた 電話に出ると

初老の老人 が 語りかけてきた 

『この町に 住んでいるのも長くなってきたことじゃろう』

その老人が言うには 幸せになれない人間を救うという。

 まるでノアの箱舟をおもわせるような 訝しげな電話だったので 私はすぐに電話を切った

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次の日 私は ある会社の 面接を受けた

その会社は変わっていて あるものを 作るのが 面接の試験となっていた

それはなんと 『小型蒸気機関車』の製造だった

今から この面接に集まったものたちで 会社にある 部品で 『小型蒸気機関車』を製造することになった

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早速 会社の庭で『小型蒸気機関車』を製造することになった 作り方のマニュアルを見ているだけで 頭が混乱しそうになった

なんせ 素人ばかりで『小型蒸気機関車』をつくれというのだから

そんなことできるわけもない しかし驚いたことに ほかの人たちは 一生懸命 『小型蒸気機関車』を作り始めたのだ

しかし当然作れるはずもなく 中途半端な 鉄くずが完成しようとしていた

私はいやになって その場から逃げ出した

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次の日 私は 面接不採用の通知をもらった

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そして私を除く全ての人間は採用通知をもらった

私の不採用理由は 最初にリタイアして逃げ出したからだという

『小型蒸気機関車』のように製造することができなくても

試行錯誤してでも 頑張れる人間を 採用するという 方針だったらしい

私は『小型蒸気機関車』の製造など無理だとあきらめてしまったため

やる気のない人間だと思われてしまったらしい

しかし本当に今考えてみると 私は やる気のない人間だったのだ 『小型蒸気機関車』など つくれるはずがない

ものだと考えてしまったこと

ほかの人たちは 無理だとわかってても 作ろうとした

この無謀なことでも挑戦する事が 大事なんだと 身にしみて思った

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時がたち 歯が抜け落ち 老いぼれとなってしまった 私

夢をもって生きてきた私だが もう老いぼれの爺 となってしまった 私に夢はない

 あの時もっと夢をもちつづけていれば もっとすばらしい人生を送れたと思うと カナシイ

カナシイ

しかし私が悪いのだ

平凡な人生に少し 安らぎを感じていた 

このままでいいと思うようになってしまった私が悪いのだ

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もうすぐ天からお迎えが来る・・・・・・・

さようなら・・・・・・・私の人生。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

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こ、これは最期の瞬間をそのまま写し取ったようなお話ですね・・・怖いです。

遺書?違った意味の怖さが。。。