短編1
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地元

私の地元の話をします。

私の地元は故宜保愛子さんがテレビ収録で訪れたことがある島なのですが、その時は

「この島は危ない」

という彼女の言葉で渋々収録を諦め本土に帰っていったそうです。

私の地元は文明開化で本土との交流が盛んに行われる明治頃までは、死者を風葬する習慣がありました。

風葬場所は集落と集落の境目で、今でも人骨を見ることができます。

昔の人は集落間の行き来をあまりよく思っていなかったようで、生活空間から離れた位置、つまり集落の境目に死者を葬り、そこを死者の空間とすることで集落間の行き来を抑制していたのではないかと言われています。

過去にハンセン病が流行った時には、病への間違った解釈から、病にかかった人を生きたままその風葬場所に捨てるという事実もあったようです。

私の地元ではハンセン病のことをフヂチと言っていたらしく、その風葬場所をフヂチ山と呼ぶ人もいました。

なぜ山というかというと、そのフヂチ山に手をつけようとすると、事故や原因不明の病にかかり、災いが起こるとされ、手付かずのまま雑木林になっているからです。

今でもその風葬場所は恐ろしい場所であるとされ、地元の人、特に老人たちは近づくことを避けています。

怖い話投稿:ホラーテラー マメさん  

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