中編3
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聞こえた?

今から数年前の話です。

その日地元で親友達と自分を含め3人で、飲みに出掛けた日の事です。

まぁ「飲み」なんて云うのは言葉だけで、ひとりは運転手、ひとりは妊婦、自分は下戸なので晩飯に行くとお考え下さい。

地元は田舎なので、遊ぶ場所も無く毎度適当に集まり、腹を満たし、適当に騒ぎ解散。この流れを毎度繰り返すのです。

いつも通りでした。

いつもと違うとすれば、一人は人妻妊婦なので早めに家に送り返そうとしたくらいだった。

しかし、もぅひと騒ぎしたかったので『母校の小学校に足を伸ばさないか?』…と、多分自分が云い出した気がする。

勿論悪友は話にのる。運転手と云うポジションをフルに活用してあっという間に目的地。

親友(人妻)は怖い話が大嫌いなので嫌がる嫌がる。

此処で前にあった事を思い出したに違いない。

あまり調子にのると彼女に酷く殴られるのは、長い付き合いでわかっているので、程好く「夜の小学校は気味が悪い」体験をしたのち彼女を送り届けた。

さて、と。

当然の事の様に運転手は元来た道を戻り、小学校へ到着。

「遊び足りねぇだろ!」

と云う奴の笑顔は悪意に満ちていた。

自分もそこそこビビりだからである。

『ですよねー。』

抗え無い、抗わない。好奇心が勝るものだ。

車を降り、今回は校庭へ向かう。

小学校のグランドすぐ隣に幼稚園、反対方向には小さな林がある。(所によれば観察の森とか生き物の里、といった名前があるような場所)

脇にある幼稚園を過ぎて校庭に入る。

不気味だ。グランドの端にある林が真っ暗な上ざわざわとないているのだ。

『(何があってもあそこは行かない。)』

親友の少し後ろを歩きながら、心に決めていた。

彼は場数を踏んでいる。

サクサクと進む、が、ピタリと止まり不意に振り向いた。

グランドの校舎寄り、時計が正面に見える場所だった。

『何?』

「…。何か云った?」

『いや、急に止まるからビビったwww。つか、向こうは無しなガチで怖いwwwチビるwww』

笑いに持っていかないと、本当に気持ち悪い雰囲気だった。場所が、と云うより。彼がいつもと違ったのだ。

『てかトイレ行きたい、コンビニ行こうてか連れてってwww漏る漏るwww』

異様過ぎて親友に喋りまくる。

ホレ、車に戻るぞー等と云いながら。

それでも動かない。喋らない。

『…行くぞ。』

バシッと肩を叩いた。ついでに車の鍵を奪い取った。

「…T、悪りぃ。」

『キリキリ歩け、足www』

一瞬いつもの空気に戻った。

~プルルルルル~

「…聞こえた?」

電話の音だ。しかも職員室辺りから。

真夜中では無いもののこんな時間に?

『あぁ、んな時間に間違い電話とかあんの?』

『びびるよなー』

『コンビニ寄ってトイレなー』

気をまぎらわす様に喋っていた気がする。

その間親友も相槌を返してくれていた。

車迄の道程がやけに長く感じた。

無事にコンビニ、トイレを済ませ一服。

静かな親友が気味が悪い。

『…なんかあったわけ?』

「Tは聞こえた?」

『いや、Sも聞こえただろ?』

「何が?」

『電話の音。』

「俺が云ってんのは子供の笑い声。」

「聞こえた?」

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>>ファントムルージュ様
コメントありがとうございます。
評価頂き嬉しいです(*°∀°*)!
次回もアップしましたら、どうぞよろしくお願いします。

面白い。読み易いし、テンポも良いと思います。
次も期待してます。