中編3
  • 表示切替
  • 使い方

リプレイ!

テレビゲームが大好きな僕は、「殺人レストラン」というゲームに夢中だ。

それはどこにも売っていない、誰も知らない、不思議なゲームだ。

どうやって手に入れたかって?

それはヒミツ…。

とにかく朝から晩までこのゲームをやっている。

「リプレイ」ができるので、どんどん先に進める。

敵キャラにやられたって、主人公は何回でも生き返る。

便利だよな、「リプレイ」って。

ゲームを始めてから一週間で、ついに最終面のボスを倒した。

ヤッター、エンディングがみられるぞ!

wallpaper:41

画面には、レストランとシェフがでてきた。

なんだ、変なエンディングだな。まあ、いいか。

「リプレイハンバーグ」にしよう。

--------------------------------------

ワカリマシタ。ソレデハ、ヒツヨウナトキニ ¦

「リプレイ」ト、イッテクダサイ。 エンド¦

-------------------------------------

これで終わってしまった。おかしいよな、このゲーム…..。

もう、ねよう。

wallpaper:7

次の日から、僕の人生はバラ色になった。

なぜかって?「リプレイ」ができるようになったからさ。

本当だよ。

やり直したいことがあると、過去に戻って、やりなおせるんだ。

「リプレイ」って、いうだけでね。

便利だろう!

テストなんか全部百点!

だって、問題を見てから、昨日に戻っちゃうんだ。

そして、そこだけ勉強すればいいんだから。

wallpaper:4

朝、眠くて起きたくなかったら、前の晩に戻って、もう一回寝ちゃうし….。

美味しいおやつだって、何回も食べ直すことができる。

ネッ!バラ色の人生だろう。

今日は日曜日、もう十日間連続の「日曜日」だよ。

でも、そろそろ飽きたから、明日は「月曜日」にしよう…。

wallpaper:214

月曜日の放課後、友達の正樹と「ヒミツの場所」

に遊びに行った。

そこはもうすぐ取り壊される古いビルで、

wallpaper:235

「立入禁止」になっているから、誰も来ない。

だから、思いっきり遊べる。

「正樹、今日はビルの屋上に登ってみよう。

おもしろそうだよ。」

「ダメだよ。だって屋上には外壁についているハシゴを登らなきゃいけない。

危ないよ」

「平気、平気。さあ、登ろう。」

「ダメだよ、危ないよ。落ちたら、死んじゃうよ」

とめる正樹を無視して、僕はスイスイ登りはじめた。

「リプレイ」があれば、怖いものなんかない。

もし、落ちてもまた登り始める前に戻ればいいんだから….。

ハシゴの最後の一段に手をかけた時、

「バキッ!」という音がした。

鉄のハシゴはさびて、もろくなっていたんだ。

wallpaper:178

こわれたハシゴから、僕は頭から下に落ち始めた。

でも、全然恐くない。

「リプレイ」

僕は、呟いた。

「バキッ!」

いけねっ、戻る時間が短すぎた。また落ちる所から、

始めちゃったよ。あわてない、慌てない、

もう一回「リプレイ」。

「バキッ!」

あれ、まただよ。

おかしいな。「バキッ!」より前に戻れないぞ。

もう一回、「リプレイ」。

「バキッ!」

まずいぞ….、まずいぞ…..。

「リプレイ」「バキッ!」「リプレイ」

何十回、いや何百回「リプレイ」と叫んだろう。

でも、いつも「バキッ!」………どうしても、

落ちる前に戻れない。

お父さん、お母さん、助けて!!

「リプレイ!」

「バキッ!」

こんなの嫌だ!!

これを、僕は永遠に続けなければならないのか。

でも、もし、「リプレイ!」と叫ぶのをやめたら….

嫌だ!

今でも叫び続ける。

「リプレイ〜!!」

「バキッ!」……。

Concrete 59189e6fb4d79119a63e92183ffb92aeb8f46031afd97d5db060811ce15c35e6
閲覧数コメント怖い
1,9200
3
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ