若き日の肝試しその二 学校

短編2
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若き日の肝試しその二 学校

これは私が高校一年間の時の話。

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中学の頃の部活が合宿と言う話をきいて

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私と同じ部活だった同級生数人とで

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差し入れをもって遊びに行く事にした。

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さすかに中学に行くと部活の連中は

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自分達を先輩として敬意を表してくれ

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正直気持ちがいいものです。

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新入生も入って話も弾む

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夜になり、練習も終わると一つの部屋に

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集まって怪談話に盛り上がった。

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消灯時間になり、寝る事になりましたが

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興奮さめやらぬ私達と数人の後輩で

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深夜になったら学校で肝試しを

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する事にしました。

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深夜2時、集まったのは六名

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懐中電灯を一つだけもって恐怖を

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かきたてながら一階から順に

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まわることにしました。

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はじめは暗闇で懐中電灯一つというので

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皆かなりビビってましたが

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二階に上がる頃にはわざと隠れて

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脅かす余裕まででるようになってました。

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そして何事もなく三階まで上がって

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しばらく歩くと1人が中庭を挟んで

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真っ正面の別棟の異変に気づきました

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あれ、なんか向こうの三階の一組の廊下で

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なんか動いてねえか?

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一斉に向こうの棟の廊下に注目すると

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1人が

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確かに、なんか行ったりきたりしてる

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あそこってちょうど水のみ場のあたりじゃねえ?

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目を凝らしてみていると段々と目が慣れて

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皆も何か白い物が廊下の窓ガラス越しに

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行ったり来たりしてるのがわかった

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そして1人が懐中電灯をその方向に

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向けたとき、その場の全員が

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見てはいけないものをみてしまった。

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光のあたった白いものはなんと

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人の顔だった、いや、顔だけだったと

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いったほうが正しい!

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首や肩がなく、ただ顔だけが浮いて

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一組と二組の間を行ったり来たり

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しているのだった。

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私達は全員声もだせすしばらく

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立ち尽くしていると

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その顔はこちらへプイッと向きをかえ

あろうことか窓ガラスをすり抜け

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一直線に飛んできた、しかも

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あきらかにさっきより大きくなって

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みんな叫びながら一斉ににげた!

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しめしあわせた訳じゃないけど

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皆一斉に階段方向へ走っていき

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何段も階段を外しながらかけ降りた

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1人も踏み外して転ばなかったのが

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奇跡なくらいのスピードでかけ降りた

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もちろん誰1人として

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振り返る余裕のある奴はいなかった。

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そして一階の宿泊室として使っている

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教室に入り皆布団を頭までかぶり

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朝まで誰も何も口を開くものはいなかった。

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あの時心底、夜の学校の肝試しは

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やるもんじゃないって思いました。

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