中編3
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赤黒い川

梅雨に入りジメジメした日曜日…

夕方になってバケツをひっくり返した様な雨が降りだした。

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俺「あー失敗した、バイト来るとき降ってなかったから傘忘れてきたよ…しかも今日は幼なじみの開く2対2で合コンなのに」

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俺は大学卒業しても就職の決まらないまま、大学時代からバイトしているフラワーショップで働き続けていた。

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店長「忘れ物に傘がいっぱいあるだろ?俺くんは明日も朝からシフト入っているから、持って帰って忘れず持ってこいよ」

俺「じゃあ借りて帰ります」

店長「この雨だ、もう客は来ないだろうから駅前のオープンする美容室に注文されてたモンステラの鉢を届けてくれたらそのまま帰っていいから」

俺「はい、ではお疲れ様でした」

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駅の近く何処にでもある花屋、フラワーアレンジメント教室もしている花好き、お話し好きな人が集まる。

そして話をしていたら皆さんいろんな物を忘れて帰るのだ。

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花屋から歩いて直ぐの美容室、外から店内丸見えの大きな硝子張りの今風のお店、明日がオープンらしく数人のスタッフがあわただしく準備している。

俺「フラワーショップ○○です、ご注文のモンステラをお届けに伺いました」

美容室オーナー「ありがとう、じゃあここに置いてもらえるかな?」

俺「はい、わかりました」

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もう支払いは済んでいるので、濡れないように被せていたビニールを剥がし指定された場所に設置したら終了、お店を後にする。

俺「ありがとうございました。」

美容師さん達「お疲れ様でしたっ」

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今日の合コンは駅から大通りを挟んで向かいの商店街にある焼き鳥屋、バイト早く終わってしまった為に30分以上時間が出来てしまった。

すると大通りに不思議な軽自動車があって人が数人集まっている…何を不思議に思ったかと言うとなんと、ひっくり返っているのだ。

タイヤが空を向いている、古いタイプで強度が弱いのか潰れてフロントガラスも無いオープンカーの様…

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車から流れでる赤黒い液体は排水口に向かって川を作っていた。

あまりの光景に飲み会など参加する気になれず友達に直ぐさま連絡した。

俺「わりぃ具合悪いから今日はキャンセルしたい」

幼なじみ「お前あれ見たんか?…事故だよ」

俺「なんで知ってるの?」

幼なじみ「近くに居たしな…あれ俺が呼んだ女の子の車なんだ」

俺「近くにいるなら会おうか?」

幼なじみ「あぁ」

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その娘達とはクラブで知り合ったらしい幼なじみ曰く、ちょっとドラッグを愛用してて急にハイになったりして運転もスピードだすし蛇行運転などふざけるらしい…遊ぶ位ならいいかってつもりでいたんだって、話ながら歩いていたら何時の間にか雨も止んでいた。

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家まで歩いてあと10分位の所で変な音に気が付いた「ペタペタ」と雨の中を裸足で歩いく音がする、あの光景を見た後で俺も幼なじみも怖かった…似た者同士怖がりなんだ。

しかし振り返ったが何もいない。

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すぐ早足で歩いても「ペタペタペタペタ」急に停まって振り返っても何もいない。

そのうち走りだして「ペタペタペタペタペタペタッ」またストップして振り返る、「カツンッ」と手に持っていた傘に何かが当たった。

足元を見た…

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shake

そこには上目遣いの上半身だけ手で歩き体を引きずる女の姿があった「足が外れなくて焦ったよ…フフフ…」

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俺の家が近いので二人で叫びうちに飛び込んだ。

母ちゃんと父ちゃんが「どうした?あっいらっしゃい」なんて悠長に言っているが玄関の鍵を閉め一階の俺の部屋へ…窓から外を見ると間違いなく直ぐそこに居ます。

一生懸命手を伸ばしているのが見える。

南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏二人で唱えて震えていると気が付いたらいなくなっていた。

とりあえず幼なじみは泊まり、次の日お寺に向かった。(俺はバイトへ)

その後は特に何も起きてません、ドラッグ反対、安全運転を心がけましょう。

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これはアカン奴や、ドラッグは無論アカンし、身体の形変えて出たら反則で目ぇ突かれます。ほんま寒イボたったわ

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上半身分離されてもしばらく生きてるらしいからね
対応早くて命は助かった人もいるとか
ダカラソレモユウレイジャナクテ、、、

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匿名さまコメントがこんなに嬉しいって…
初めて頂いたコメントなのでありがたかったです。
文章力を磨きまた投稿させて頂きます。

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