中編3
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304号室

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私が実際に体験した事で、

地味で怖くも無いですけど…。

9年前前夫と別れ、3歳の娘と

2人で住んでいたアパートが

“多分”曰く付き物件でした。

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そこは○○ハイツという、駅から

徒歩10分程にある、鉄筋コンクリート

3階立てのアパートで、そこの3階に

ある304号室が、2DKでリフォーム

したばかりなのに不動産屋さんが、

母子家庭になった私達を応援したいと、

リフォーム前の家賃5万円のままで更に

駐車場1台分つけて貸してくれるという

のですから、今思えばそこからして

もう怪しいのに、早く住む場所を

決めたくて即決したお部屋でした。

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まずは引っ越してすぐに

娘の様子がおかしくなりました。

何かに怯えて私のそばにピッタリで

片時も離れようとしないのです。

「何がそんなに怖いの⁈」

と聞いても

「誰かいる〜!」

としか言わないので、私はあまり

気にしていませんでした。

しかし、暫くすると私にも“誰か”

の存在がわかる様になったのです。

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その頃私は仕事のストレスもあり、

娘を寝かせてからベランダへ出て

外の景色を観ながらお酒を飲むのが

楽しみでした。

その日も娘を寝かせてから缶ビール

を片手にベランダで飲んでいると、

「ママ!」

shake

と言う声と同時に窓を叩かれたので

“やば、起きたかな⁈”

と思い、すぐ振り返りましたが

娘どころか誰もいませんでした。

念の為部屋の中を見ても娘は

ベッドで熟睡しており、とても

起きた形跡はありません。

おかしい、と思いつつも深く気にせず

その晩は普通に過ごしました。

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そしてそれから数ヶ月経ったある日、

私は有給を取り部屋でのんびり過ごし

ており、眠くなったので娘の迎え前に

ベッドでお昼寝をしていました。

布団を被り仰向けに寝ていると、

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shake

パタパタパタパタパタ‼

と、布団の上から叩かれました。

それも1人ではなく、少なくとも

2・3人の子供の手でした。

私はビックリして起き上がり、

「誰⁈」

と言いましたがその姿はもう無く、

玄関の方から数人の子供の、

「きゃははははははは〜ッ‼」

とはしゃいだ笑い声と、パタパタという

足音が聞こえて消えました。

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それからすぐに、私はアパートを

引き払う事にして不動産屋に

連絡をいれましたら、

「何か変わった事とか、あった⁈」

と言われたので

「どうやらまだ、先住人がいるようです」

と言うと不動産屋は苦笑いしていました。

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そして次の引っ越し先を何とか見つけ、

無事引っ越しが済み、普通なら立会い

を行いますよね?なのに不動産屋は

「母子2人で期間も短いし、大丈夫だよ。」

と言って立会いを行わず、しかも敷金も

払った分そのまま返してきました。

なので私達が住んでいた304号室は

きっと以前に何かあった部屋なのだと

思います。引っ越した今となっては

何があったか知る事もありませんが、

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今でも時々○○ハイツの前を通ります。

その度304号室はいつも空き部屋に

なっているところを見ると、やっぱり

何かあったのでしょう。しかも子供絡みの。

そして私を叩いたあの子達はまだ

304号室にいるのでしょうか?

何かを見ないうちに私はいつも

足早に通り過ぎます。

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774さん、そうですよね。
今思えば本当そう思いますが、
あの時は住む場所欲しさに
ホイホイと引っかかりました(汗)

匿名さん、初のご感想ありがとうございます☆

甘い話にはということ