短編1
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聞かないで。

最近、引っ越しをした。それも女性専用のアパートだ。

建てられたらばかりということで、外装や内装は綺麗でお洒落。家賃もお手頃だし、最初は喜んでいた。

しかし、住み始めてからというもの、奇怪な現象が立て続けに起きた。水道の蛇口から勝手に水が出たりテレビが付いたり…。お風呂場で髪を洗っていたらいきなり肩を叩かれ、振り返っても誰もいなかったり。

幽霊の仕業だろうか。しかし、建てたばかりの新しいアパートなのに、幽霊が出るなんてことあるんだろうか。

気味が悪かったので、友人の恵子をアパートに招いた。恵子は霊感が強く、この世ならざるものが見えるらしいのだ。

アパートに来た恵子は、部屋に上がるなり「いるね…。いるよ、ここ」と呟いた。恵子が言うのならいるのだろう。引っ越したばかりだが、怖がりな私はこの部屋に住み続けることは出来ない。また引っ越さなくてはならないだろう。

私はずっと疑問に思っていたことを恵子に聞いてみた。

「何で建てられたばかりのアパートに出るんだろうねぇ」

恵子は何故かニヤリと笑うと、

「それは聞かないで」

とだけ言った。

Concrete
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おおお…!薄紅様は見える方なのですか!?
見えない側の私としては羨ましいことですが、見たくないのに見えてしまう方の心労は、計り知れないものがあります…。

私は大きな音を出して場の雰囲気を変えると霊が退散すると聞きました。

返信

無視するのみ、とよく聞きます
見ようと思って見れるモノではない…
逆を言えば見たくないと思っても見えてしまうモノなのかなf(^_^)
私は気にしません
何が見えても…
けど、怖いときはコワイ!!って叫びます(*_*)

返信

薄紅様。コメントありがとうございます。

私には霊感がまるでないのですが、見えている方は大変でしょうね。それとも普段は見えないようにコントロール出来たりするものなのでしょうか。

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なろほど。それならどこへ行っても逃げられませんね(-_-;)

返信

怖女様。コメントありがとうございます。

さて、恵子さんには一体何が見えていたのでしょう。
これは私の勝手な想像ですが…霊はアパートに住み着いていたのではなく、元々主人公に取り憑いていた…とか。

色々理由は考えられますが、それにしても恵子さん、気になることを言いますよね(笑)。

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なになに!?
気になる終わり方!

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