短編2
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友人から電話が掛かってきた。用事が出来てしまい、3時間程外出しなければならないらしい。その間、赤ちゃんを見ていてほしいとのことだった。

「泣いたらミルクをあげたりオムツを替えてくれればいいから。あとはテレビでも見ててよ」

澪さんは承知し、約束していた時間帯に友人宅へ出向いた。赤ちゃんは日本間に設置されたベビーベットの上でスヤスヤ寝息を立てている。

友人が出掛けていくと、澪さんはテレビをつけた。すると隣の部屋から泣き声が聞こえた。

「お腹がすいたのかしら」

ミルクを作って与え、オムツを取り替える。抱っこしてあやしていると、赤ちゃんの頬に真新しい傷が出来ているのに気がついた。引っ掻き傷のようだ。

自分で引っ掻いてしまったのだろうか。そう思い、赤ちゃんの爪を確認したが、短く切ってある。

「変ねぇ…。どこで引っ掻いたのかしら」

ベットの上にも、特に引っ掻いてしまいそうな何かは見当たらない。澪さんは首を傾げながらも、赤ちゃんが寝付いたのでベットに下ろした。

静かに襖を閉め、居間に戻る。再びテレビを見ていると、また赤ちゃんが泣き出した。澪さんが駆けつけると、赤ちゃんが火がついたように大泣きしていた。

「はいはい、どうしたの?」

赤ちゃんを抱き上げると、また頬に引っ掻き傷が出来ている。おかしい…。さっきまではなかったのに。

「…いたっ!」

突如、太腿に痛みが走る。見ると、ショートパンツから伸びる太腿にはクッキリと赤い引っ掻き傷が出来ていた。

怖くなった澪さんは、赤ちゃんを連れ、家の外で友人の帰宅を待っていたという。

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