短編2
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黒い蝶

S小学校に通うRちゃん。

Rちゃんは今年、5年生になりました。

凄く普通に生活をしていたある日、

黒い蝶が見えるようになりました。

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初めて見たのは学校の授業の時間でした。

担任のT先生の頭の上に黒い蝶が4,5匹くらいクルクル回っていました。

その時は、外から蝶が飛んできたのだろう。そう思っていました。

でも、次の日にこんな出来事が…。

教室に入ると、ガヤガヤうるさくてたまりませんでした。

「T先生遅いね〜」

「いつも早いのに〜」

T先生が来ていない、という事だけわかりました。

しばらくして、いつも職員室にいるO先生が来ました。

「T先生は、学校に来る途中、事故にあってしまったそうです…。今日は私が授業をしますので、宜しくお願いします。」

「え〜!!!!事故?!」

「T先生はどうなったの!?」

「T先生は今病院にいるそうです。しばらく入院するそうなのでT先生が退院するまで私が担任をします。」

2時間目が終わって休み時間に入ろうとした時でした。

廊下にY先生が来てO先生と喋っていました。

「はい…。そうですか……。」

悪い知らせなのはわかりました。内容は聞き取れませんでした。

「みなさん!聞いて下さい!!!」

O先生が突然大きな声で言いました。

「T先生が…T先生が…先ほど..病院で亡くなった..そうです…。」

「ええええええ!!!!!」

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次の日は、Rちゃんの家に遊びに来たおじいちゃんの頭の上にも黒い蝶が見えました。

その蝶の数は、5,6匹でした。

そして、次の日。

おじいちゃんはガンで亡くなりました。

Rちゃんはお爺ちゃんっ子だったので大泣きしました。

Rちゃんは、(きっとあの黒い蝶のせいだ)と思い黒い蝶を捕まえる作戦をたてました。

そしておじいちゃんが亡くなった次の日。

今度は友達のNちゃんに黒い蝶が見えました。

その蝶の数は6,7匹。

日に日に蝶は増えていくのです。

Nちゃんに蝶の事を伝えて、黒い蝶を捕まえようとしました。

しかし、蝶は捕まえることができませんでした。

次の日…。

Nちゃんは重い病気で亡くなってしまいました。

黒い蝶が許せなくなりました。

これからたくさんの人が黒い蝶によって殺されるのではないか、そう思ってしまいます。

Rちゃんは友達の家に遊びに行くことになって、服を決めて鏡を見ているとRちゃんの頭にも蝶が見えました……..。

それは何十匹、いや何百匹にも及ぶ黒い蝶でした。

Rちゃんは次の日遺体で発見されました。

こうして何十人、何百人もの人をあの世へ連れて行く黒い蝶。

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もしかしたらあなたの頭にも…いるかもしれません。

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