短編2
  • 表示切替
  • 使い方

報い。

これは数十年前、実際に起きたとされている話。

会社員であるMさんが帰宅すると、妻のAさんが体中をメッタ刺しにされて倒れていた。Aさんの傍にはSという女性が毒を飲み、倒れていたという。

Mさん、Aさん、そしてSは元々同じ会社に勤めていた。それなりに仲も良かった3人であったが、ある出来事がきっかけで関係がこじれてしまった。

当時、恋人同士だったMさんとAさんな社内婚約が発表されてからというもの、Sは奇行に走るようになった。

「結婚は許さない。ウラム」と書き殴ったメモをAさんのデスクに繰り返し置き、上司からも注意されたが、止めようとはしなかった。また、「結婚するなら赤い砂時計に殺人ナイフ!」と書かれた手紙をAさんに送りつけたという。

しかしMさんとAさんは結婚。それに逆上したSは、Mさんが会社に行っている時間帯を狙い、自宅に侵入。Aさんを西洋ナイフでメッタ刺しにした後、自らも毒を飲み、自殺を図ったのである。

Sの鞄からは、気味の悪い絵が1枚入っていた。

暗く沈む山をバックに、片腕が切り落とされたフランス人形、紫色の蝶、赤い砂時計、西洋ナイフが描かれていた。

これは日本でいう「丑の刻参り」である。フランス人形を殺したい相手に見立て、針などを突き刺し、呪いの念を送るのである。

Aさんは出血多量で亡くなったが、Sは何とか命を取り留めた。しかし、意識が朦朧としており、時々譫言を言っては魘されているらしい。

「助けて…フランス人形が追い掛けてくる。捕まったら殺される…怖い怖い!赤い…赤い赤い赤い赤い赤い砂時計!殺人ナイフが飛んできた!怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!殺人ナイフ!こわいよぉ…こわい…」

Normal
閲覧数コメント怖い
1,0482
1
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ

薄紅様。コメントありがとうございます。

人を呪わば穴2つ…人を呪った報い、そして代償は大きいものなのでしょうね。

昭和のはじめの頃でしょうか。農家の主婦が夫の愛人を呪い殺そうとして、丑の刻参りを行い、殺人未遂で起訴された事件があったそうです。

しかし、呪いが科学的に解明出来なかったため、不起訴になったのだとか。

人を呪わば…とかいいますね
それともSさんは操られてたのかな…
でも、嫉妬に狂った人間は恐ろしいですね(>_<)