短編2
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旧犬鳴トンネル

私は番組を撮影するために皆さん知られてる方もいらっしゃると思います『ロケハン』という仕事をしています。

ロケハンというのはロケハンティングの略で、番組の企画に合わせて撮影場所を探すという仕事です。

これはある有名な心霊トンネルに行ったときの事です。

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その日私と先輩の佐藤さんはある心霊番組の撮影をするために犬鳴峠に来ていました。

トンネルには簡単な柵しかなく立入禁止の文字。

もちろん無視です。

外して中に入りました。

車に乗りとりあえず中に入ってトンネルを通過するだけのつもりでした。

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一度行った方ならわかるようにそのトンネルは奥が見通せますよね?

先輩と私に段々と重い沈黙が流れていました。

それは、最初は出口が見えていましたがいつの間にか出口が見えなくなりいくら車を走らせてもトンネルを出られなくなっていたからです。

2時間以上走り続け、やっと出口が見え、外に出たときは鳥肌が立ちました。

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出口から20メートル先にもう1つトンネルがあり左には100台以上の霊柩車が並んでいました。

奥には大きな屋敷があり、それを山が取り囲んでいました。

先輩は何も言わず車を走らせトンネルに入って行きます。

私『何ですかあれ! やばいっすよ!』

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先輩『……』

先輩は何も言いません。

ただかなりの汗をかいていたのを覚えています。

完全に混乱していました。

それから何時間も何十回とトンネルを走らせ計3回その光景を見せられました。

4回目のとき先輩が意を決したかのように、

『あの家に行ってくる』

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そりゃぁ止めました尋常じゃなく。

しかし先輩は行ってしまいました。

2時間は待とうと決めていました。

しかし、あの状況で2時間は無理でした。

結局1時間位でしょうか、計ってないのでもっと早かったかも知れません。

私は逃げました。

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心の中で何回も謝り車に戻り発車させました。

その後はただひたすら車を走らせた記憶しかありません。

出口が見えまたあの光景の恐怖で手が汗で濡れていたのを覚えています。

外は先程まで私達がいた世界でした。

すぐに警察に電話しました。

警察がくるあいだ私は恐怖でずっと横にあったいつも車で寝るときに使っていた毛布を被っていました。

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警察が到着し今までの事を説明しました。

しかし、警察の方は不思議な人を見るような顔をしています。

そして警察の方が『どうやって入ったの?』と強い口調で質問してきました。

混乱しながら振り返るとコンクリートで出入口を封鎖されたトンネルがありました。

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へぇ、あり得ない体験でもないだけにリアリティはありますね。

ただ、その先輩、それからどうなったんでしょうね

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先輩の行方も気になりますが、実際にこういう事って起きたりするんでしょうか(>_

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