中編4
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頭にガブリ

人通りの少ない暗く細い路地に寝そべる人影…

酔っ払いだろうと近づく

服装、体格から男性と判断して声掛けを行う…

「今晩は!?ちょっと?アンさん…こんなトコで寝とると風邪ひいたり、金品奪られたり、危ないで?起きよか?ほれ…?」

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………………

私はこの繁華街にある交番に勤務する斎藤 明善巡査、警察官だ…

酔っ払いが倒れていると通報を受け、巡査部長の山尻さんとこの路地にやってきた…

通報をした人の話によれば、この酔っ払いは小一時間この場所に寝たっきりで、身動き一つしないらしい…

(まさか、死んどったりしねぇよなぁ…)

「おぅい?起きれますか?アンさん?!」

山尻さんが声を掛ける、が、反応無し…兎に角、仕方ないので無理に起こす…

『グチャリ』

music:2

濡れている…

手に生暖かいモノを感じる…

「うわ…マジか…山尻さん、この人…怪我しとりますわ…」

背中に刺し傷が無数にある…

無線を手に取り署に連絡…応援を呼ぶ。

『ムク…』

男性が起きる…

「ちょっと?アンさん安静にしとき、だいぶ血も出とるしな…つか、アンさんよう動けるな?背中ぁ…どえらい事なってんで?」

「……」

巡査部長の山尻さんが言うが反応無し…

そのまま立ち上がり、フラフラと路地を歩き出す…

「アンさん何処行くんや!?せゃぁから座っときって!」

すると、長めの髪で隠れていた顔が表通りから差し込んだ光で見えた…

潰れている…

music:3

何と表現すれば、伝わるだろうか…

真っ平らになっているのだ…

凹凸が無い、眉間の出っ張りも鼻も頬も口も真っ平らののっぺらぼう…まるで何か平らな硬いモノに強く押し付けた柔らかい桃の様な…

shake

思わず「ひぇ!」と、声を上げる

よく見る為に山尻さんが懐中電灯を点ける。

頭部が割れていて、頭蓋骨が見え隠れしているのが分かった…

まずい状態…

でも、不思議な事に血が出ていない…?

「アンさん…大丈夫か?どないなっとんねんその顔…被り物か?」

「ずず…ずず…」

鼻をすする様な声…

顔がゆがむ様に動く…被り物では無い?

すると突然!我々の方に近づきながら奇声を上げた!

「ぎゅおあぁぁあぁあ!!」

music:6

「ひぁやぁぁ!?」

shake

恐ろしい声を上げながら本官に襲いかかる!

怖さのあまり肩口を両手で押す!

すると山尻さんは、危険をいち早く察知して警棒に手を掛ける!一瞬ひるんだところを一撃!

それでもなお、襲いかかる!

グチャリ!

頭を殴る!

発泡スチロールの様に頭が陥没して、遂に力尽きるかと思いきや、今度は山尻さんに襲いかかる!

本官はアタフタしてしまい、何も出来ない!

「斎藤くん!拳銃!拳銃を抜け!」

アワアワしながら、ようやく拳銃を抜く…拳銃を抜くなんて、初めての経験…訓練でしか抜いた事が無いのだ!

「ぐあ!」

shake

山尻さんが叫ぶ!

見るとその男が山尻さんの頭を大きく開けた口から顔半分までがっぽりと、噛み付いている!

music:6

「うわぁあ!なんだこいつ!?こっこの化け物め!」

と、拳銃で奴の肩に一発…二発…

『パンッ!…パンッ!』

しかし、動きが止まらない!?

みるみるウチに山尻さんの頭を飲み込み

『バチャリッ!!』という凄い音をたて噛みちぎる!

「ひゃあああ!!?」

完全にパニックに陥り全ての弾を打ち込む!

『パンッパンッパンッパンッカチッカチッカチッカチッ…』

それでも、奴の動きは止まらない!

ボリボリと音をたてながら山尻さんの頭を噛みながらこちらに向き直る!

今度は自分だ…そう思ったら怖くて身体が動かない!

モグモグと山尻さんの頭を噛みながらニヘラァ…と嗤う(わらう)…

気持ち悪い…

歯がお歯黒の様に真っ黒で…目も黒目しか無いかの様に真っ黒…

鼻が無い…口が異常なまでにデカイ…髪の毛は肩辺りまでの長髪…

身体中血まみれ…奴の血では無い山尻さんのモノだ…

近づく…

更に近づく…

顔がデカイ…

もう…これまでかと、思った時だ…

応援が到着!

今起きてる事態をいち早く察知したのか、仲間の野島巡査が奴にタックル!

『ドチャァッ!』と吹っ飛ぶ…

「な!?何すかこいつ?山尻さんは?どないしはりました?」

「そ…そこや…」

野島巡査が山尻さんの亡骸を見て青ざめる…

「こっ!こいつがやったんすか?」

私が頷くと、直ぐに怒りの顔になって拳銃を抜く…

「無駄や!無理やねん!効かんのや!それが!」

「どっどうゆう事ですのん!!?」

奴に拳銃を向けながら涙声で叫ぶ…

「わっ分からん!化け物んや!」

すると、奴が再び立ち上がる…

「あかん…お終いや…」

と思いきや、くるりと後ろを向き路地の奥に消えて行ってしまった…

野島巡査が追おうとしたが、何とか止めた。

彼まで山尻さんの様に食べられてしまうとも限らないからだ。

世の中どんな化け物が潜んでいるか分からない…もしかしたら、貴方の今歩いている路地にとんでもない化け物が潜んでいるかもしれない…

人食い妖怪の話…終

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薄紅さま。あなたの優しさに触れた様な気がいたします。いつも、本当にありがとうございます…

犬神さんのお話、私はすっごく好きだしドキドキさせられます
ホラー映画とか
よりずっと。
私なんかが言っても…とか思うんですが出来ればこれからもお話聞かせてほしいです(>_<)
人の思いや受けとり方は皆違います
でも少なくともここに手に汗握りながら犬神さんのお話を読んでる人間が居ますよ
是非是非これからも書いて下さい♪
待ってますね(*^^*)

皆様。コメント頂きありがとうございます。俺、まだ書いて良いんすか?下手な文章につまらない展開…自信がなくなってしまいまして…
まぁ、書くとしても、暫くはちょっと間空きますけど…

退会の仕方が分からないのは退会しないでって事なんですよ(⌒‐⌒)きっと
まだまだ犬神様のお話を楽しみにしてる人が沢山いるからもっと書いてって♪

音楽とのなんとも言えないマッチングの良さ。参考にさせていただきます

犬神さんお久しぶりです!

覚えてますか?

文章力が前よりすごい上がっていて、
すごいです。

退会してしまうのでしょうか?

是非とも退会されないでください。
お願いします!

でも、退会の仕方が分からない(笑)

バイオハザードだな

犬神さまの話好きでした
二重人格の続き楽しみにしてましたが
事情がおありなんでしょう

また気が向いたら戻ってきてください

犬神さん退会してしまわれるのですか!?
お話とても楽しみでした(*_*)
もっともっと沢山のお話を聞かせてほしいです(>_<)
何か事情がおありなのでしょうか(>_<)

読んで頂きありがとうございました。

この投稿をもちまして退会します。

沢山のコメント、怖い、ありがとうございました。

薄紅さま。こんな下手くそで面白みも無い文章をいつも最後まで読んで、さらに毎回コメントまで頂きありがとうございます。
貴方のおかげで、投稿するのに大変、励みになっております。

刺し傷や顔の潰れは襲われた人達の抵抗の痕だったんでしょうか?
とにかくどんな攻撃も効かず相手がどこかに立ち去るのを待つのみなんて恐すぎる( ̄□ ̄;)!!
何か倒す方法を探したくなりますね