中編3
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フリ

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これは俺がまだ中学の頃の夏の話だ

俺は野球部に所属しており、田舎ということもあり部内の仲はよかった。その日も6時過ぎに部活が終わり、皆で遊ぼうと部長が言い出した。

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その時に、部室に残っていたのは俺も含めて5人だった。

お調子者のAしっかり者のB部内で1番仲のいいC そして部長と俺。

夕闇の部室で俺たちは何処で遊ぶかの会議をし出した。と言ってもこんな田舎だ、やれる事は限られている。どうせ鬼ごっこか肝試しになるんだ。案の定その日は肝試しだった。

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部長がじゃあ何処の行く?と皆に意見を求めた瞬間にAが声を張り上げた。

「なあ!山の上の神社でどうだ!行った事ある奴いないだろ!?」

皆が揃い揃いにわかったと言う。

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「あっ、俺今日はパス、親に早く帰れって言われてんだ」

そう、俺は今日の遊びに参加しない。兼ねてから企んできた事があったのだ。

一足早く部室から出た俺は、皆行ったように家には帰らず皆よりも早く山の上の神社に向かった。

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企んでいた事とは、俺が幽霊の格好をし、連中を怖がらせてやろうと思ったのだ。

全力疾走で神社に着いた俺は汗を拭いながら持参した鮮やかな赤のレインコートを着込み、祖母の長髪のカツラ着けた。神社は小高い山の上に在り、入り口が左右にある。片方は獣道のようになったおり、連中はおそらくもう片方の石階段の方から来るだろうから俺は獣道の方に隠れた。

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20分ぐらいたっただろうか、向かい側の石段に連中の姿が見え始めた。先頭を部長とし、その後ろをABC3人が着いて来ている。

4人とも辺りを執拗に見回り明らかに怖がっていた。それもその筈この神社は夕方ともなれば、鳴き回るひぐらしや夕日に照らされた鳥居がとても恐怖を駆り立ててくる。

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Cが怯えながら呟いたのが聞こえてきた。

「なあ、やっぱやめね?なんか雰囲気違うし」

それを聞いたAが少し怒りながら答える。

「何だよ、ビビってんのかよ?だらしねぇ!」

4人は鳥居の前で立ち止まった。夕日に不気味に照らされている赤い鳥居を眺めていた。

ーーよし行くなら今だ!

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俺は意を決し、4人が鳥居に気を取られている隙に獣道から立ち上がり、数歩のところで立ち止まり俯き可能な限り霊の真似をした。

Cがこちらを向き、口をあたふたさせ、部長の肩を叩き俺を指差した。

「おい、、あれ、、」

Cと部長を発端に4人全員が俺を発見し同時に4人思い思いの叫びを挙げ石段からかけて行った。

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次の日

俺は皆がどれだけ怖がっているか気になり、朝の部活で誰よりも早く1番に着いた。

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程なくして、Cが現れた。

「なあ、昨日どうだったんだよ?」Cは元気無しに答えた。

「ああ、出たよ」「まじかよ!本当に?」

するとCの態度が急変した。

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「ふざけてんなよ!あれお前だろ!靴がお前のだった!」

いけない、そうだ。靴を変えていなかった。「なんだよ、ばれてたかーw他の連中は?気づいてた?」

「わかってないと思う‥もっとすごいもん見ちゃったから」

「なんだよ、すごいもんって?」するCはより一層厳しい顔で答えた。

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「いいかよく聞け、お前が赤いレインコート着て俯いている両隣に同じようなレインコート着て、お前の事がじーっと覗き込む様に見てる女がいたんだよ‥‥」

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