祟りや呪いは実在した。(深夜のクワガタ虫捕り)

長編10
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祟りや呪いは実在した。(深夜のクワガタ虫捕り)

この話を、出そうか、かなり迷いました。

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読まれる方は、音読は大丈夫だと思いますが、他人に、本文の読み聞かせはしないで下さい。なぜかは、最後に、記します。

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かなり前の事なんですけれど、クワガタ虫の中で、オオクワガタが、高値で取引されていました。中でも大きさが6センチを、超えると10万円さらに1ミリ大きくなるごとにプラス10万、8センチだと30万。僕も当時、このおかげで車が買える位かせぎました。

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6月のある晩の事でした。「さあ、今から、クワガタ虫捕りに行くぞ、」と、弟2人で、京都の某所へ、車を走らせました。今思えば辞めときゃ良かったんですけど。

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それは僕の車が、車検だった為、母の車で出かけたのです。なぜかというと、その車は、霊的に無防備だったから。

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夜9時位だったと思います。○○○町の、とある、山道に到着、弟と、「この道入ってみようか?」と、道幅は、狭かったんですが、アスファルトの道なので、車で、奥へと進みました。

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段々と山の上へ、ゆっくりと。

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弟と「ヤバイなぁ、もし、今、前から車来たら離合できひんでぇ!もう、入り口から、3キロは走ってるし、途中で引き返すのに道幅広い所ないなぁ」と、言いながらも、どんどん奥へと、進みました。

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やがて、前方の道が大きく左にカーブしている、その右側に2本のクヌギの木を、発見。

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車を止め、懐中電灯片手に、外に出て、そのクヌギの木に、ライトを当てクワガタ虫の有無を確認していると、かなり遠くの方で、変わった動物の鳴き声が、聞こえてきた。

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今まで、聞いた事が無い変な泣き声というか、何かに威嚇している様な感じ、「気持ちの悪い泣き声やなぁ、猿かなぁ」と、言いながら、車に戻ろうとした時、今度は、車のすぐ後ろから、その、泣き声がする。

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僕らに帰れと言わんばかりに、「ギャオォー ギャオォー」と、叫んでいる。懐中電灯の明かりを、声のする所を、照らすのだが、姿が、確認出来ない。僕は持ってきた打ち上げ花火に火をつけて、その声のする場所めがけ、連発で打ち込んでやった。

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普通、動物なら、光と音で、驚き、逃げるはずなのに、逃げるどころか、こちらに近寄って来ている感じがした。取り敢えず、車に乗り込み、もう、帰ろうと、相談、しかし、車をターンする所が無い。

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さらに、奥へと進み、ターン出来そうな場所を、探しました。やがてアスファルトだった道が、砂利道へと変わった。ここしばらく車が通った形跡が無く、人の背丈ほど有る雑草が生えていて、何とか道があるのを、確認しながらゆっくり進んだ、というより、進むしかなかった。

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もう、山道入り口より8キロは進んでいるだろうか、しばらく進むと道が二手に分かれていた。

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 よし、ここでUターンできるぞ!。

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ハンドルを切り返していると、ヘッドランプが、前方のクヌギの木を照らし出した。車を降り、雑草を掻き分け,木に近づいた。

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懐中電灯の明かりが沢山の、カブト虫や、クワガタ虫を写した。持ってきた虫かごに入りきらない状態だった。しかし、お目当てのオオクワガタが居ない。ふと木の反対側、自分から向かって右手に古い小屋らしきもの、というより家の残骸があった。

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その小屋はかなり古く建物自体がつぶれ屋根が斜めに傾いていた。別に気に留めることなく、お目当てのオオクワカタを探した。

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その時、その小屋の方から「フッフッフゥ」と、年老いた女性の声らしきものが、聞こえた。

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一瞬、「ドキッ」と、したが、車の排気音か、エンジンの音が、何かに反響して、聞こえたのだと、思い、気を取り直して、さらにクワガタを探し続けた。

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その時である、今度は、小屋とは反対のクヌギの木あたりから「フッフッフゥ」と少し悲しげな女の声が、聞こえた。確実に人の声だ。と、同時に小屋のあたりから、「ビシャッ」という、ふすまを、閉める様な音が聞こえた。

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背筋が氷ついた。とっさに、これ以上、この場所にいると、とてつもないヤバイ事に遭遇してしまうと、思い、弟に「早く車に乗れ!帰るぞ!」と、言い、急いで車に乗り込み発進させた。

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弟が、「兄貴どうしたん?急に慌てて?」と、言うもんだから、「お前には聞こえなかったのか?」と、弟「いきなり急に車に乗れ言うから何かあったん?」どうやらその声は僕にしか聞こえていなかったのだ。

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弟に、事情を説明しながら、今来た道を引き返した。雑草の生えた砂利道に、来る時付いた轍のおかげで、少々速度を上げ,走る事が出来た。

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何気なしバックミラーを見た、リヤーウインドウの暗闇な向こうに何かが見える。ブレーキを踏むたびに、ブレーキランプの明かりでそれが見えた。どうも人影のようなものが、付いてきているのが見えた。弟が怖がるといけないので、黙ったまま車を走らせた。

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さっきの声の主だとおもった。一定の距離をおいて付いて来る、普通ならここで、怖いと思い、車の速度を上げるのだが、あえて、速度を落とした。やはり奴も速度を落とした。この時なぜか僕は、奴に勝ったと思った。

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そんなことを繰り返しているうちにやがて、道はアスファルトの所まで来た。ここからは少々早く走れると思い、バックミラーを見たが、もう、その人影は見えなかった。

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やがて、車は国道に出た。普通なら、これで帰るのだが、もう恐怖感は無くなっていたし、まだ時間はあるので、帰りがてらにもう一箇所行く事にした。そこは、家より差ほどそう遠く無いクヌギ林。

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現場に着いたのが午前零時を少し回った位だったと思います。ここは、オオクワガタは、期待出来ないが、ヒラタクワガタが多く捕れるポイントなのです。そこは、道の両側が、クヌギ林になっていているので、弟と左右に別れてクワガタ虫を探した。

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すると、弟が何を考えているのか笛をふいて、虫探している。虫捕りを終え車に乗り込んだ時「おまえさぁ、こんな夜中に口笛吹いてたら、霊が寄って来るぞぉ」と、言うと、「俺吹いてないでぇ、兄貴が吹いてたん違うん?」と、

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さすがに僕も、この日は怖くなりました。結局オオクワガタは、捕れずじまい、レギュラー的存在のクワガタムシ250匹ほどでした。

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その晩、床についたのが、午前二時半位だったと思います。うとうとしかけた頃に金縛りに襲われました。凄い圧迫感と、耳鳴りがして、目の玉以外動かす事が出来ません。ふと、足元を見ると、蚊取り線香の煙の様なものが立ち上っているのが見えました。

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それが香取マットの緑のランプに照らされて、「うわぁ、なんや?でも綺麗」と、思いしばらくそのユラユラした煙の様なものを眺めていました。

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すると、その煙の様なものが、段々と人のかたちになっていくのが分かりました。足、膝、腰、背中、はっきり人のかたになってくるのです。どうやら女性の様だ。向こうを向いている姿がわかりました。その煙の様なものが完璧に人のかたちの後ろ姿だと解るようになると同時にこっちに向きを変えて来るのが解りました。

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「ヤバイ!これは、見ちゃいけない!」と、思い、目をつむりました。そのまま、眠り付いたせいか、目を覚ましたときは、何事もなく朝を迎えていました。

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何だったんだろうか、夢じゃない、はっきり覚えている。でも、それほど恐怖感は感じなかったなあと、思った。

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次の日、僕が○○○町の、山の中で体験した事を、この町出身の友人に話した。すると、そいつが「ひょっとして、あの山?上まで行ったのか?」と、かなり驚いた顔をして、「よう行ったなぁ、あんな所、地元の人間も近寄らない所やぞぉ」と、言った。

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気になるので、「何でや?何かあったのか?」と、訪ねてみた。すると、こんな話をしてくれた。

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「俺のおばぁちぁんから聞いた話なんだけど、むかし、あの山の中腹に一軒家があり、おばぁさんが、一人で住んでいた。ある時、物取り強盗が、その家を襲って、その、おばぁさんを殺したらしい。知り合いの方が、その家を訪ねて来て、事件が発覚、その時、おばぁさんの胸に斧が突き刺さった状態で死んでいたらしい。

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それから、その殺されたおばぁさんの、幽霊が出るなどと、妙な噂がたった、その山道を歩いていると、血だらけのおばぁさんが、叫びながら追いかけて来るなど。

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だから、その場所はもちろん、その山には、地元の人は絶対誰も近づかない。それと、この事件の事は、このあたりのお年寄りはみんな知っている。しかし、祟りとか呪いを恐れ、誰も口にしないらしい。」と、話してくれた。そうか、あの悲しそうな声の主は、やはり、その殺された老婆だったのか。

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それから、しばらくしたある日の晩の事、同じクワガタ虫捕り仲間3人が、家にやって来て、「今から行きたいんやけど、何処かめちゃくちゃ、カブトやクワガタが捕れる所無いか?」と、聞くもんですから、その場所を、教えたあげた。

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「そこは、虫かご沢山持って行かないと入り切らんぞぉ。その代わりお化け出るかもしれんぞぉ」と、言った。すると、彼らは、「お化けなんか怖く無い。大丈夫や。」と、笑いながら、虫捕りに出発して行った。

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次の日、朝早く、虫捕りに行った、友人から電話がかかってきた。そいつは、その時車を運転していたやつ、「今から会えないか?」と、僕は、「どうしたんやぁ、それで、沢山取れたのかぁ?」と、聞くと、「取り合えず、おまえに話したい事がある」と、かなり焦った様子だった。

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近くのファミレスで落ち合う事にした。僕が店に入ると、彼はもう、席に座っていた。僕が「沢山捕れたやろう?オオクワガタは捕れたんかぁ?」と、聞くと、彼は、「ヤバイもん見てしもたぁ」と、話始めた。

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彼が言うには、「クワガタを採取出来たのは、おまえが言うてた、道が大きく左に曲がっている所のクヌギの木だけや、その奥の場所では車から降りていない」と、それで、なぜかと、思っていると、さらに、話してくれた。

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「俺が運転していて、丁度、おまえが言うていた、分かれ道の所で、Uターンしようとハンドルを何回か切り返していたんや、俺の車ヤンキー仕様だから、ガラスにフイルムも貼ってるし、おまけに車内のイルミネーションがガラスに反射して外が見えない、それで、助手席のT君に窓開けて車が木に当たらないか、外見てくれと頼んだ。

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T君が窓を下げた、ガラスに写り込んでいた車内の明かりが無くなり、真っ暗な闇が見えた。T君が、「何やこの光」と言った。

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窓から、少し離れた所に、ピンポン球位の大きさの薄いオレンジ色の球体が、T君の目線の高さ程の所に浮いている。

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ハンドルを切り返し、車を前後しているのにもかかわらず、その球体は、車の動きに合わせて付いて来る。

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なんだこれ?と思った瞬間、その、うすオレンジ色の球体が、上下にゆらゆらしながら、バレーボール位の大きさにふくれあがり、その中に、口を大きく開けた女の顔が現れた。

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それを見た、車内の3人とも、パニック状態になり、「うわぁ~早く窓を閉めろ」「早く発進しろ」と、大きな声で言い合った。後部座席のN君は頭を抱えお経を唱えながら、なぜか「ごめんなさい、ごめんなさい」と、言っているし、助手席のT君は、放心状態になってしまうし、

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俺は、怖さのあまり、思い切り、アクセルを踏んだ。その時ケツが滑って山肌に車こすったんや」と、震えながら言った。

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そして、彼がもう一つ話しを、付け加えた。「その幽霊らしきものを、見たせいで、恐怖のあまり、3人で、近くのコンビニの駐車場で、日が昇るまで、一緒にいたんや。

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俺は、家に帰って、車を見てびっくりした。土ぼこりで汚れた車のあちらこちらに、手形が付いて、紺色メタリックやし、朝日で手形が良く見えた。

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あまりにも、気持ち悪いので、すぐに洗車したんや。」と、半分震えながら言った。

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そんなこんなで、この一件の話を、怖い話好きの友人に、しゃべった。大変怖がっていた。その1週間後、そいつが高速道路で、事故に遭い、ハンドルと座席シートに胸を、挟まれ亡くなったのだ。祟りなんかじゃ無いだろう。もし、そうなら、この話をした自分に、何か起こるはず。

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そう思い、ある時友人二人にこの話をした。するとこの二人、ほぼ同時期に重傷を負う怪我をわずらった。

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一人は、職場で、フォークリフトと壁に体を挟まれる事故。もう一人は、信号待ちで停車中、後ろより追突され、玉突き衝突の真ん中になり、ハンドルで胸を強打。

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あまりにも偶然とは思えなかった。でも、話をする自分には、何事も起こらない。やはり祟りじゃ無いと思っていましたし、もう、この話は、辞めておこうと、決めていました。

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それから、何処でこの話の事をかぎつけたのか、この話を、是非聞きたいと言う女性が現れました。僕は、「この話しは、ヤバイから、聞かない方がいい」と、何度も言いましたが、「そう言われると、余計に聞きたい」と、彼女は食い付いた。そして、「私、お守り付けているから絶対大丈夫」と、自身ありげに言うもんですから、全て話しました。

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しばらくしたある日、その彼女、朝出勤途中、車で事故に遭いこれも又、ハンドルで胸を強打して亡くなりました。(エアーバック作動せず)

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それ以来、この話は口にしていません。しかし、今から七年前、ある実験を試みました。

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それは、自分がこの話をしている姿えをビデオカメラで撮影して、それを、自分で見てみる事。

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話しを、聞いた人間が、この様な結果になるのであれば、自分にも何らかの事が起こるはずだと思い、自分のスピーチをテレビ画面をみながら、聞いてみた。

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話している時は、そうは思わなかったが、聞いてみると、我ながら怖かったし、もし、この話に、祟りや、呪いが、潜んでいるのなら、何かカメラに写るんじゃないかというチョットした期待もありました。結局何も映像に写る事も無く、全て見終わったのです。

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お恥ずかしい話です。その二日後、私自身買って間もないバイクを運転中、転倒事故により、あばら骨を、骨折してしまいました。今思えば間一髪で、トラックにひかれる所だったのです。

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やはり、この話の何処かに祟りを招く言霊があることを、確信しています。

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私が思うに、この文面には、紹介していませんが、多分この老婆の名前が、何らかの悪影響を、引き起こしているのでは、と思っています。

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だから、あえてここには、この老婆の名前を書きません。一様念のため、音読による読み聞かせはしないで下さい。

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こっ恐い!

余程の未練か恨みが有ったのでしょうね。
来る者全てが犯人に見えてしまうのかも知れませんね。

こわっ!
口笛は霊を呼ぶのかぁ~
気を付けよう。
それにしてもその廃屋はヤバイ!