短編2
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後ろに乗り込んだ何か

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中学の時の話。

家の都合で地方に引っ越しをした。

そこは静かで自然あふれた田舎町。

通ってた中学の通学路に指定されていた道は、見通しのいい田んぼの真ん中を走る一本道。

そこから少し行くと割と大きな国道が走っていたのだが、歩道がなく、車道スレスレに通らなければならなく危険だという理由で、通行禁止にされていた。

家から学校までは国道のほうが近く、大体の生徒がそうなのだが、学校指示なので皆文句を言いながらもその田んぼ道を通っていた。

その道はきれいに舗装されていて脇に民家もなく車も通れなくなっている為、事故など起こらなかった。

割と安全な道だった。

しかしある時から、そこを走る自転車の不可解な故障が相次いだ。

パンクはもちろん、チェーンが外れるや、ひどい場合チェーンが切れるといった故障だ。

故障にあった人達の話では、普通に順調に走行していると急にペダルが重くなったり、自転車後ろの荷台に何かが乗り込んできたような感じがしたり、何者かに引っ張られたような感じがしたなど不可解な証言が挙げられていた。

ある日、部活が終わるのが遅くなった俺は部活仲間数人とその道を帰っていた。

夜9時は過ぎていた為、あたりは真っ暗。

俺は集団の一番後ろを走っていた。

その道に入り中程あたりに差しかかった時だ。

!?

急にペダルが重くなった。

そして

何か後ろに乗ってる…

明らかに二人乗りした時のような感覚があった。

何やら生臭いニオイもしている。

…来た!

前を走る仲間達に声をかけようとするも声が出せない。

真冬なのに汗が噴き出す。

止まろとするもブレーキが全然効かない。

左肩あたりに息遣いのようなものも感じる。

俺は恐怖に震えながらもそのまま走り続けた。

もうすぐその道を抜けようとした時だ。

急に軽くなり、勢いで転倒。

ああ、みんなこの時に自転車の故障が起きたんだなとその時思った。

石につまづき倒れたと笑ってごまかしてみたが、本当のことは仲間達には言えなかった。

が、その中のひとりはどうやら前に同じ経験があったみたいで、目で合図を送っていた。

その後家に帰り着き自転車が故障していないか見てみたのだが、幸いカゴが少し変形していたものの特に故障はみられなかった。

ただ、自転車後方だけが濡れていた。

まるで雨にでも降られたようにびっしょりと。

その日は一日中快晴で帰るときも雨など降っていなかった。

その後も同様の体験をする人が続出した。

警察や地域の人間が調べたところ、後ろに何者かに乗り込まれたあたりの道の下に古びた小さな祠のようなものが崩れていたらしい。

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