中編3
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病院

俺とAとCは毎年夏になると心霊スポット巡りをするのが恒例となっている。

今年も三人で心霊スポット巡りをすることになった。

いつもテンションの高いAが今回は山無山に行こうと言った。

山無山とはこの辺りに住んでいる者なら知らない者がいないほど有名な山である。

数多くの心霊現象がおこると恐れられている。

その中でもっとも有名な病院の廃墟にいくことになった。

山無山まで車で50分。

俺が車の運転を担当することになり、明るい調子の曲を流しながら全員ハイテンションに歌をうたっている。

呑気なものだ。

山無山に入り三人のテンションはさらにあがる。

道は他の山と比較し運転しやすく俺はノリノリで運転していたんだが。

ガガ、ガガア

音楽に突如ノイズがはしる。

「おい。なんだよ。テンションさがるな」

Aが大げさに怒鳴り声をあげる。

俺とCは苦笑い。

音楽の調子は戻らないまま病院の駐車場に着いた。

俺が車から降りるのが早いかチリン、チリンと鈴の音のように聞こえてきた。

「なんか鈴の音しなかった?」

俺がAとCに尋ねると二人は首をふり聞いてないと言う。

気のせいか。

俺はそう気持ちを切り替えた。

Aを先頭に俺たちは病院の中に入っていった。

中は異常なほど静かだ。

ゴミがあちこちに散乱しきたない。

俺たちは階段を探した。

一番幽霊の目撃情報が多い二階の手術室に向かう。

二階は一階と比較して明るかったがそれでも足場が悪いため慎重にいく。

その時だ。

グシャ、グシャとなにかを潰すような音が聞こえてきた。

手術室からだ。

俺たちは前へ進む。

近づくたびに音は大きくなる。

あと少しで手術室にたどり着くという時になって突如気味の悪い声が聞こえてきた。

帰れ帰れ帰れ帰れ。

低い男性の声だった。

俺たちはお互い目で合図する。

なにかある。

正直帰りたかったが他の二人はその気はないようだ。

仕方ない。

覚悟をきめ手術室に入る。

全身から血が引くのを感じた。

鉈を持った男がなにかを切りつけている。

女の死体だ。

頭は切り落とされその他の部位はバラバラになっていて血が辺りを汚染している。

男と目があった。

ほりの深い顔立ち。

血走った目。

完全に正気じゃないのは明らかだ。

「ぎゃあいあいあ 」

Cが絶叫し一目散に逃げ出した。

俺たちも後に続く。

男は鉈を持ったまま恐ろしい速さで追ってくる。

階段を一気に駆け抜ける。

だが、男との距離は遠くなるどころか徐々に縮まっている。

俺はAとCと比較して足が遅い。

今日ほど足の遅さを痛感した日はない。

出口が見えてきた。

AとCが外ではやくこいと怒声をあげている。

足がガタガタ震えてまともに走ることができない。

出口まであと5メートルの所で躓き転倒。

男が迫ってくる。

もう駄目だと思った。

だが、その時男も転倒した。

男の様子をみて鳥肌がたった。

下半身がない男が鉈男の上にのっていた。

帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ。

先程と同じ声がする。

俺は立ち上がり逃げ出した。

後から聞いた話だが例の手術室から女のバラバラ死体と首を吊っている男が発見されたそうだ。

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兎さん

読んでくださりありがとうございます。

それは私からは言えませんが何故男はあえて病院を殺害現場に選んだかを考えていただけるとわかるかもしれません

帰れの人は以前に殺されてたのかなぁ。
○男(○読めない(>_<))って病院の人?

黒崎さん

まさかアリスシリーズを覚えて下さっている方がいるとは

感激です

一応まだまだのんびり続けていきたいと思っています。

ごめんなさい月夢改さんの名前間違えました
訂正して、お詫びしますm(__)m

久しぶり月読改さんの作品読む事ができて嬉しいです(*^^*)
アリスシリーズ好きなのですが、終わっちゃいました?
また読む事が出来ると嬉しいです(__)

匿名さんへ

はい。しかし必ずしも人間とは限りません