中編6
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東海廃墟探訪②

桜井櫻子様のコメントの中にございましたので・・・

岐阜県多○見市古○渓の廃旅館、通称「古○渓ハウス」の話し。

(伏字が意味を成さない程、全国的にも有名な廃墟なのだが一応軽く伏せてみる)

「暑ぢ~・・・」

岐阜の夏はとにかく暑かった。。。

連日の35℃超え・・・

夜でも30℃を切ることが無い・・・

道産子の私には相当つらい季節だ。

愛知県の工場が稼動ダウンを宣言した為、満期と同時に当時の派遣仕事の中で最も稼げる岐阜の工場に移ることにした。

自動車製造工場など、どこに行っても大して変わりは無く人間関係さえ気を使えば快適な生活を送ることが出来る。

ただ・・・

この気候!

何とかならないモノだろうか・・・

愛知も確かに暑かった。

暑かったが・・・岐阜は更に暑い・・・

40℃を超えた日もあった!

例えるなら「息が出来ない位」暑い!

東海地方に来て早7ヶ月・・・

この暑さと赤味噌だけには馴れない。

そう言えば岐阜に移ってすぐに大きな買い物をした。

スクーターだ!

当分、北海道には帰る予定も無かったしチョット出かける時など寮の自転車を汗だくで漕ぐ必要も無い。

まあ、中古で1万だったのが決め手と言えば決め手になったのだが・・・

正直に言う!

「廃墟めぐり」がしたかったのである。

私は自他共に認める「廃墟マニア」だ。

決して「心霊マニア」ではない。

休みの度に色んな廃墟に赴いたのだが・・・

忘れもしない岐阜県民第一回目の廃墟は以前より憧れていた「古○渓ハウス」だった。

ある休みの日・・・

朝からの猛暑で気温は昼過ぎまでに38℃となった。

16時過ぎ、いよいよ出発だ。

愛車「メットinタクト」に跨る。

いくら風を切っても暑さからは逃れられない・・・

それどころか熱風を浴びながら走っている様だ。

とりあえずコンビニに立ち寄り緑茶と助六寿司を購入して外へ

・・・出たのだがまた店内へ・・・暑すぎる・・・

冷房の効いたコンビニで5分程涼んでから思い切って外へ出た。

速攻でメットを被りタクトに跨る。

時速何Kmなのかは言えないが出るだけ出して目的地へ向かった。

辺りに緑が多くなり右側には清らかな渓流が眩しい。

ロケーションの影響なのかココまで来るとかなり涼しい。

緩やかな右カーブを曲がった途端、目の前に強烈なインパクトのある建造物が現れた!!

初めて見た!

初めて見たのだがソレが「古○渓ハウス」だと判る強烈な存在感だ。

タクトを土手脇に停め、どこから入ろうかしばし思案・・・

どうやら土手を登るしか無さそうだ。

結構急な土手を登りいよいよ「古○渓ハウス」の中へ!

時刻は17時ジャストだった。

鉄筋コンクリート造りで当時としては立派な建物だった様だ。

所々、木造の箇所もあるのだが木造部分は基本的に原型を留めていない。

確かにこんな山の中、渓流沿いに20年以上も放置されているのだから仕方が無い。

もっと言えばこんなに目立つ場所に存在感抜群の廃墟があるのだからマニアではない馬鹿な奴らの餌食となるだろう。

実は、突入する前から気付いていたのだがガラスの無い窓からジロジロ見られていた。

中に入れば物好きな来客を一目見ようと、こぞって見学にやってくる。

流石は岐阜県屈指の心霊廃墟だけのことはある。

浮遊霊の溜り場ではないか!!

私はいつも上の階から攻めるので今回も上がれるところまで上がった。

今にも抜けそうな階段と階段に座っている何体かの霊体を避けながら慎重に慎重に・・・

以前、建物の3階部分の床が抜け1階まで落ちた経験がある為、とにかくコース取りには細心の注意を払っている。

先ほど「上がれる所まで」と言ったが2階までしか上がることが出来なかった。

かなりピンチな階段もそうなのだが「それ以上は来るな!」という女の声を感じたからだ。

そんなことは良くあることで私は無理をしない。

だからこそこうやって廃墟探索をいつまでも楽しめている。

逆に考えれば闇の住人達から「2階までならOK」のお墨付きを頂いたも同然なのだ。

ふと窓の外に目をやる・・・

美しい・・・

美しすぎる・・・

営業当時はこんな美しい景色を見ながら温泉に浸かったり食事をしたりしていたのだろう。

そんなことを考えている内にお腹が「ぐぅ~」と鳴った。

外に出られそうなテラスを見つけたが一面に苔が生えており床の状況が把握出来なかった為、窓越しに座りコンビニで買った助六寿司を食べた。

ガラスの無い窓からは心地よい風がそよぎ不思議と埃っぽさやカビっぽさを感じない。

山陰で陽の入らない廃墟内から夏の夕暮れに照らされ更に美しい遠くの景色眺めながら干瓢巻を緑茶で流し込んだ。

「心霊廃墟で食事など何て不謹慎な!!」と思われる方もいるだろうが、私はそう思わない。

彼らは「食べる」ということは出来ない。

だから私が食べるのだ。

私が食べることによって彼らも満たされていく。

これは私の簡易的な除霊法でもある。

例えば盆に墓参りに行く。

沢山の墓石に沢山の供え物・・・

私は他人の墓の物でも平気で食べる。

勿論、手を合わせてからだが・・・

供え物は飾りではない。

たいがいは生前の好物なんかを供えるだろうが食べられない彼らにとっては、ただの生殺しなのだ。

既に死んではいるのだが・・・

沖縄の墓参りを想像してもらえば理解しやすいと思う。

まるで宴会の様な墓参りである。

墓の前で呑み食い唄い踊る。

しかしながら本来の「供養」という意味合いを考えてみれば沖縄流が正しい供養と言えるだろう。

話しはそれてしまったが・・・

食事も終わり2階も全て見て回った。

まあ・・・2階は殆ど客間で結構な部屋数なのだが壁が無いのと1階の天井を見る限りでは入って確実に安全な部屋はあまりない。

1階に下りる。

温泉旅館だけに風呂場の廃墟美にしばし萌える。

幾つかのオーブが飛び交っている・・・物好きな来客を見に来たのだろう。

次はトイレ・・・

美しい・・・

壁のタイルに未だ輝きがある。

くだらない落書きが無ければもっともっと美しいのに・・・

宴会場・・・

一歩足を踏み入れたが「ぶよぶよ」していて危険・・・

折角の広いスペースなのに入ることを断念・・・

それにしてもこの建物は壁が少ない。

風化や心無い悪戯によって崩れてしまったのだろう。

そのせいか?極端に落書きが少なく感じる。

あくまでも他の廃墟と比べればだが・・・

時刻は19時を回った。

廃墟での時間は早い。

既に2時間が経過している。

入ってきた本来の裏口?に立ちもう一度、廃墟内を見渡した。

時間的にもかなり薄暗かったが色鮮やかな赤い洋服を着た女性が立っている。

肉眼にも鮮明な映り込みは「生」に対する強い執着心の現われである。

「そろそろ帰るか・・・」

私は軽く会釈をし廃墟を後にした。

「古○渓ハウス」には数々の噂がある。

ガス爆発により生存者がゼロだった

経営不振で経営者が首を吊った

200年前の女郎の地縛霊に取り潰された

などなど・・・

私がこの目で見た処では・・・

これらはどこの廃墟にでもある完全なデマである。

ただ・・・

鉄筋の無機質な建物には霊が溜まりやすい。

学校や病院はそういう理由から霊的な逸話が多いのだ。

闇の住人にとって邪魔な人間がいないこの様な廃墟は霊の溜り場・・・

「古○渓ハウス」は沢山の行き場の無い浮遊霊の棲家なのだ。

理解してもらいたいのは彼らのテリトリーにコチラがお邪魔しているということ・・・

最低限のマナーだけは守ってもらいたいものだ。

最後に・・・

これは廃墟探索を推奨するものではない。

逆に廃墟には行ってもらいたくない。

全ての廃墟を私だけのモノにしたい位だがそれも出来ないので・・・

どうしても行きたい人はコレだけ守って欲しい。

騒がない

壊さない

汚さない

持ち帰らない

何があっても人を恨まない

「古○渓ハウス」は霊的なものよりも建物自体が危険領域です。

くれぐれも気を付けて下さい。

そして・・・

出来る事ならば行かないで下さい。

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今度からお墓の供え物は食べよう!!と思いました。でも、食べずらいですよね…

Andy兄さんは以前から読者を大切に考えてくれてますね。
考えがあってコメ返しをなさらないのは皆さん理解されていると思いますし兄さんの人の良さみたいなものが伝わってきます。