短編1
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樹海の仲間達

事業に失敗し、負債を抱えてしまった。

決して返せない額ではなかったが、すっかり気力を無くし、死に場所を求めて富士の樹海をさ迷っていた。

何時間も歩き続けて、いつの間にか夜になっていた。

ふと、人の声が聞こえた。

周りを見ると、ぼんやりとした人影達がそこかしこにいた。

不思議と怖いとは思わなかった。

ただ漠然と「こんなに居るのか…」とは思った。

相変わらず、周りからはボソボソと声が聞こえる。

最初、何を言っているのか分からなかったが、徐々にはっきりと聞こえるようになった

「止めておけ」「引き返した方がいい」「何もこんな所で死ぬことはない」

すると足元に違和感を感じた。

見てみると、腐敗した死体を踏んでいた。

死体の頭がこちらの方を振り向いた。

「分かるでしょう?ここは人の死ぬ場所じゃない。死んだ所で何処にもいけない。ずっと此処から出られない。正直、後悔しているわ…」

もはや性別すら分からなくなった死体は女性の声でそう言った。

その後の事はよく覚えていない。

気がついたら樹海の外にいた。

あれが現実だったのかは解らない。

ただあの後、もう一度やり直す事は出来た。そう言って、父は私の頭を撫でてくれました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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