短編1
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サンタクロース

サンタの服は魔法の服だ。着ていれば風も寒さも感じず、しかも家の壁をすり抜けられる。

トナカイのソリは魔法のソリだ。光の速さで空を飛び、乗り心地は最高だ。

クリスマスの夜、サンタが子供の枕元にプレゼントを置こうとすると、そこで手紙を見つけた。

「サンタさん、毎年ありがとう。

僕はサンタさんが大好きです。

大きくなったら、僕もサンタさんになりたいです。」

子供が起きてしまうかもしれなかったが、サンタは涙を流して喜んだ。

「ありがとう」

サンタはそう呟くと、その子をソリに乗せて空へと飛び立っていった。

子供が寝ているソリの上。サンタクロースの独り言。

サンタの服は呪いの服だ。着ている間は誰にも会えず、体は何も感じない。

トナカイのソリは呪いのソリだ。光の速さで空を飛び、飛んでいる間は真っ赤な鼻しか目に見えない。

364日は存在せず、1日だけは子供のために空を飛ぶ。

…ありがとう。次は君の番だよ。

そしてサンタは、自分の着ていた真っ赤な服を毛布代わりに子供にかけた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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