中編5
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ワカラナイ

母さんへ

さっきこの手紙をポストに投函した。

だが本当にこの手紙は母さんへ届くのだろうか?

この手紙を読んでいるのは俺の知っている母さんなのだろうか?

今となってはもう何もかもわからない。

でももし、この手紙を母さんが、俺の知っている母さんが読んでいるなら。

俺を

見つけてくれ…

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ーーーーーーーーーーーーーーー

俺は手紙をポストへと投函した。

もう自分がなにを考えているかすら、いや、自分が誰なのかさえよくわからない。

もちろん、自分の名前、生年月日、性別、その他諸々。そのようなものは覚えている。

だがそれは果たして本当のものなのだろうか?

いや、本当の俺とは何なのか。

わからない。もう何もわからない。何が本当なのか。何が虚実か。

俺はいつからこんなことを繰り返しているのか。

一体なんでこんなことになってしまったのだろう…。

目の前にバスが止まる。

もうこれで終わるのか、また始まるのか…

俺はバスに乗り込んだ。

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ーーーーーーーーーー

本当にどうしてこうなったのだろうか。

ただ俺はその日も普通の、日常どおりの一日を終えようとしていたのに…。

俺は普通の高校生。成績から運動神経、ルックスも普通だ。

そしてその日も普通にバスに乗り帰宅したのだ。

いや…するはずだった、と言うべきだろうか…

とにかく俺は普通にバス乗った。

そして部活の疲れから眠ってしまったのだ。

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……

「次は××、××です。」

俺の降りる停留所のアナウンスで目が覚めた。

危なく寝過ごすところだった。

バスを降りていつも通りの帰路を歩く。

5分ほど歩いただろうか。

「っ!?」

唐突に立ちくらみのように意識が遠のいた。

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ーーーーーーー

……

「次は××、××です」

…?アナウンスで目が覚めた。

夢だったのだろうか。変な夢だ…。

もう一度(?)バスを降りて帰路につく。

5分ほど歩き、ついさっき夢で倒れた場所に着く。

気味が悪い。早足でその場を通り過ぎようとした、ちょうどそのとき。

「うっ!」

今度は猛烈な頭痛だ。ぐにゃりと自分の周りの空気が歪むように錯覚させるような。一体なんだというのだ…

思わずしゃがみ込む。このままじっと頭痛が収まるのを待つ。

…大分よくなってきた。

うねるような感覚も無くなった。

そっとゆっくり目を開く。

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…目を疑った。ここはどこだ…?

姿形はつい先ほどの景色と全く同じだ。だが。

色が無い。

景色という景色、全てが白黒なのだ。赤かった自分のケータイ。今では真っ黒だ。すぐ横の木の幹。今では灰色になっている。

今の頭痛で目がおかしくなってしまったのだろうか?

だがすぐ違うことに気づいた。

黒くなったケータイを握る自分の手。肌色だ。

どうやら俺の肉体だけカラーのままのようだ。訳がわからない…

本当に何が起こっているんだ…

まだ夢をみているのだろうか…

…!

家族が心配だ!父は!?母は!?弟は!?

家に向かおう!

家に向かって走り出す。ここからなら走れば5分もかからない。

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……

家につき戸を開けて靴を脱ぎ家に入る。

「ただいまー…母さん、いる?」

…返事が無い。

「母さん?」

部屋を探す。

台所、リビング、自室、 風呂場、トイレ、書斎、寝室。

…いない。車はあった。帰ってきているはずなのに…

と。

その時。

「!?」

shake

肩を掴まれた。誰だ…

心臓が高鳴る。顔に汗をかいているのがわかる…

恐る恐る、後ろを振り返ると、そこには…

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母さんが笑顔で立っていた。

なんだよ…驚いたな…

急にホッとした。よかった…

そういえば弟と父は無事なんだろうか!?

「母さん、友哉と父さんみてない?」

すると母さんは不思議そうな顔をして答えた。

「○々%:々¥]=35kas¥にこむ?」

shake

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……

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………

「…え?なに?」

「☆…%7=ひんそんkvd"p*|」

shake

…理解できない。

なぜ!?

混乱している僕を母さんは不思議そうな顔をして見ている。

日本語をしゃべっているつもりなのだろうか…

急に怖くなってきた。

よくみればかあさんも白黒じゃないか!

どうなってるんだ!

俺は外に飛び出した。

走る。とにかく何かから逃げた。だが逃げても逃げても景色は白黒だ。逃げないと。逃げないと。逃げないと。逃げ…!

ガッ!!

石に躓き電柱に頭をぶつけた。

意識が薄れて行く。頭が重い。目に赤い物が写った。あぁそっか、俺の血か…久しぶりに赤いもん見たな…

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ーーー〜ーーーーー〜

「このバスは++経由、○○運動場行きです」

…ん?バス停のベンチか…また夢かよ…なんて日なんだ…

身を起こして頭を触る。もちろん傷なんてない…はずだった

「…え?」

傷はなかった。だが指に赤い物がついた。これは…血だ。

なぜ…夢じゃなかったのか…?

ふと胸ポケットに何か入っているのに気がついた。取り出して見る。

「…手紙?」

自宅宛だ。なぜ…?

思い出そうとする。

っ!!

まただ、また頭痛だ…

また…?あれは夢の中何じゃなかったのか…?

何が起こっているんだ…

わからない。わからない。わからナイ…わかラなイ…

アレ?オカしイな?ワカラナイ…

ワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ……………

錯乱しぼんやりした意識の中で俺は思い出し、思っていた。

もう何回目なのだろうと。俺の見ている世界はどうなってしまうのだろうと。

そして…

俺を見つけてくれと…

そして最後に

手紙をポストへと投じた…

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…………

母さンへ

さッキこ/手糸氏ヲポストに投函し$+8。

だga+×〒=二コノテ紙/\母さん*届くノダロウカ。

kono+@#々ヲ読ND¥々ノハオレn知っtil母さん器芽倭ぬ盧兪値喪?

今tntt/\毛何もワカラナイ。

でモ+=、コノテgm$母三el、俺/知ッテイル@$%5が読傘期盧夢盧奈ら。

オレヲ

ミツケテクレ

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追伸

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モウモドレナイ…………

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