中編4
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それは冬が終わったばかりの春、

まだ冷たい風が吹く時だった。

私は裡(りあ)、なんも変哲もない

ごく普通の高校生。

今日も何もなかった、なんか

起きないかなぁ〜なんて考えていた。

でも、そんな考えを反転させるほどの

出来事がこれから起こるなんて、

この時の私には想像もつかなかった。

裡「はぁ…今日の小テスト大変だったな…」

いつものように愚痴をつぶやきながら

一人で学校の校門を後にした。

すると、女子の集団が私に話しかけてきた、私のクラスの仲良しの女子グループだ、

5人。

たまにイベントとかがあった時に

人数の穴埋めとかに誘われることがある。

大抵は私の知らないアイドルのコンサートとかで、ほとんどは断っている。

女子グループのリーダー、耳のピアスが

印象的な春花(はるか)が私に話しかける。

春花「こんにちは裡さん!」

裡「あ…こんにちは。」

春花「今日ね、新しくカフェが

開いたらしいの!」

カフェか、あまり外で食事するのは私は

好きでない。特に大人数は。

私が断ろうとすると、

春花「しかもね、そのカフェには

ウサギがたくさんいるらしいのよ、

いわゆる猫カフェみたいなものね。」

裡「ウサギ!?行きたい!」

私は無類の動物好きで、特にウサギが

好きだ。…突発的に返事をしてしまった。

春花「じゃあ決まりね!

早速行きましょう!」

裡「う…うん!」

私はそのまま女子グループに連れられて

新しく出来たというカフェに

行くことになった。

新しく出来たというカフェは、

学校から歩いて30分歩いたところにあった。

春花「さぁ!ついたわよ!」

見た目は黒、シンプルな外観で、扉にはopenと描かれた看板がかかっている。

みんな早速入っていった、私も後に続く。

カフェの内装は少し暗かったけど、

ウサギの飾りとかが可愛い、悪くない。

「いらっしゃいませ、何名様ですか?」

春花「6人です。」

そんな何気無い会話の後、

一同は大きなテーブルに案内された。

みんな早速席に座って何を頼むか

話し始めた。

「ねぇねぇ!何を頼むの?」

「みんなで紅茶頼もうよ!」

「賛成!やっぱりこういう所に来たら

飲んどかないとね!」

裡「あ、あの、私紅茶苦手何ですけど…」

「OK!裡さんはいらないのね。」

そこからしばらく話をした。

なんのケーキを頼むかとか恋の話とか…

一通りおしゃべりが終わると、

春花が店員さんを呼んで注文をした。

しばらくすると注文した物が運ばれて来た。私はカスタードたっぷりの

シンプルなミルフィーユ。

一同「いただきまーす!」

私はフォークを手に取り、

ミルフィーユに手を付けた。

サクサクした皮に濃厚なカスタードが

合ってる、おいしい。

食べ終わった後、みんなでしばらく

おしゃべりをした。私はこういうのに

慣れていないので、

手についたカスタードを洗いに

トイレにいった。

鍵を閉めて手を洗う。

私がトイレから出ようとすると、

突然、カフェが停電になった。

トイレの向こうから声が聞こえる。

「あれ?停電?」

「真っ暗じゃん!」

「誰か携帯持ってない?」

春花「ちょ、電源がつかないよ!?」

「…帰ろう。」

「そうね、レジにお金だけおいて」

私も帰ろうとしてドアの鍵に手をかけた…

その時だった。

sound:39

ギャーーー!!??

music:3

ドアの向こうから断末魔が

聞こえた、それと同時にシューという

何かが溶ける音と、

ゴリゴリと硬い物を擦り付ける音がする。

裡「(………!?)」

私はドアの鍵から手を離した。

その時、見えて閉まったのだ。

ドアに付いた小さな小さな小窓から、

女子グループの子達が全身から

煙を出しながら縮んでいく様子が。

女子グループはみるみる縮んでいき、

最後には可愛らしく真っ白な兎になった。

裡「そんな…!」

私は思わずトイレから飛び出した!

トイレの電灯がカフェを照らす。

裡「なんで…なんで!?」

私がクラスメイトだった兎に近づくと、

厨房のドアがギィっと開いた。

その時、私の第六感が作動にした。

今頭にあるのは逃げることだけ。

瞬時に自らのカバンを抱えて

トイレに立てこもる。鍵も閉めた。

裡「ハァ…ハァ…」

心臓がバクバクしている、早く逃げなきゃ。

幸い、このトイレには大きな窓がある。

そこから逃げ出せそうだ。

裡「よいしょっと…」

私はトイレによじのぼって脱出を試みようとすると、今度はこんな音が聞こえてきた。

グチャグチャグチャグチャ…

何だろうと思い、ふと振り返ってみた小窓の向こうの景色はとんでもないものだった。

肌が真っ白で耳たぶの異様に長い女の人が

ウサギ達を食べていたのだ。

女の人の肌は異常に白く、

その姿はウサギの化け物にも思えた。

幸いにも暗闇の中で食べていたので

細かい所までは見えなかった。

なぜか目が離せない、

逃げようとしても動けない。

そして、グチャグチャと音を立てながら真っ赤な目をこちらに向け、こう私に言った。

sound:33

オイ……シ……ソウ!

sound:39

裡「ぎあぁーーー!!!!」

私はトイレの窓にカバンを素早く放り込むと、自らの体も窓に突っ込んだ。

するりと抜け、カバンを持って夕暮れの街中を全力で走り抜けた。

music:5

ここからの記憶は全く無い、気がつくと私は自分のベットで寝ていた、服は部屋着だ。

裡「……夢か、夢だよね。

あんなこと現実で起こるわけないし。」

ゴソゴソ ゴソゴソ

どこからか物音がする。

音のする方を見ると、

学校のカバンが動いている。

裡「え?なんだろ…」

カバンを開けて見ると、

ひょっこりと一匹のウサギが顔を出した。

両耳には見たことのある

ピアスがついている。

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秋の暮れ様コメントありがとー!
(((o(*゚▽゚*)o)))

怖がってくれてありがとう(ニヤニヤ
( ̄▽ ̄)

でもフィクションなんでウサギのことは嫌いにならないで下さいな( ̄◇ ̄;)

面白い。つか怖ぇ…ウサギ見たら思い出しそう

テンポが良くて、面白かったです
残念な文章ではないですよ(笑)
これからも頑張って下さい、応援しています